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CASE

今までにない「新しいサービス」の価値をお客様へ伝えるためトークスクリプトを磨く

ワークショップの実例 ~ダイジェスト~

SORA×PARADOX×Co-Growth

Introduction

リフレクトルでは、お客様(消費者)のフィードバックを基に、営業を改善していくワークショップを行うことができます。その実例として、開催されたワークショップをダイジェストでお届けします。

本ワークショップは2020年11月末にサービスリニューアルをしたSORAが、新サービスの魅力がお客様に「伝わる」営業商談のかたちを磨くことを目的に、ブランディング事業を行っているPARADOXとともに開催しました。

ソラさんロゴ

◆実例企業:SORA
1994年創業。「自由な発想で作る、オーダーメイドの結婚指輪」を、これまで数多くの幸せを迎えるカップルに届けてきました。 そして、指輪を届けることから、指輪づくりを通じて二人が未来を描くお手伝いをすることへと、提供する価値が発展することとなり、 お客様とのコミュニケーションのあり方にも変化が求められるようになりました。届けたい価値をどのように伝えていくか、本企画の機会を活かし伝え方を磨きました。

SORAの営業実践を動画に記録して題材とし、弊社サービス「リフレクトル」を活用したフィードバックとディスカッションを行いました。リフレクトルは「INPUT」しやすくなるように営業のポイントを見える化/共有知化し、ポイントを踏まえた「OUTPUT&FEEDBACK」により営業の出きる化を目指す、動画を活用した営業力強化のためのITツールです。今回のワークショップでは「見える化/共有知化」を主眼に取り組んでいます。

◆クラウド・トレー二ングとは(図解)

本ワークショップを通してSORAの営業に生まれる変化を、以下のディスカッション内容やBefore・Afterの動画をご覧いただき、お楽しみください。

1.「営業実践動画 - Before」×消費者フィードバックの共有

本ワークショップの準備は、事前にSORAの月舘さんに「営業実践動画 - Before」を撮っていただくところから始まりました。SORAの新しいサービス「DRIP」を紹介する内容です。

そして、実際にその接客を受けたら消費者はどう感じるか、それを知るためにパネラーに協力を仰ぎフィードバックをいただくことにしました。協力いただいたのは、SORAのコア消費者層である20~30代のパネラー3人です。
事前にリフレクトルを使って、消費者目線で感じたことを率直に「フィードバック」いただきました。

下に掲載しているのは、ワークショップ前の「営業実践動画 - Before」です。
ワークショップ前の営業トークと、再生中場面ごとに表示される、パネラーからの消費者目線のフィードバックをご覧ください。

<営業実践動画 - Before>

ワークショップ本番では、参加者の方々とともに、パネラーフィードバック入りの「営業実践動画 - Before」(上に掲載のものと同様)を約10分間閲覧しました。そして、パネラーからのフィードバックを基にディスカッションを行っています。
どのようなディスカッションになったのでしょうか?大きく3つの気づきがありました。

2.専門家による当日のディスカッション

- ポイント①:サービスの世界観を具体的にイメージできる言葉を冒頭へ

まず話題に上ったのは、5分41秒~(営業実践動画 - Before)の言葉でした。
【動画再生】「もうひとつSORAには重要な要素があって、指輪にタイトルとストーリーをつけたいんですね。私達は指輪を作品と捉えていて、指輪を作ることはお二人の作品づくりなんです。絵画でもなんでも、タイトルとコンセプトなどキャプションが付いていると思うんですが、そこまでやらせていただきたいと思っています。」

SORA月舘さんの「指輪にタイトルとストーリーをつける」という言葉に対して、パネラー3人全員が「良い」という評価を入れていました。

program-image

※掲載しているのは、フィードバックが入力されたリフレクトルの画面です。
縦軸がタイムライン、横軸がフィードバック入力者です。
右のひまわり色が良い点、左の青が要改善点として、場面ごとにフィードバックが入っています。
パネラーの方々3名がそれぞれどこにフィードバックを入力したか、一覧で見ることができます。

◆パネラーからのコメント

(1)パネラー安田さん:普通の指輪屋であれば指輪という形だけをご案内する。SORAはタイトルとストーリーをつけてお二人の作品づくりをする。SORAさんが目指しているものは何かということが非常によくまとまっていて、わかりやすい。
(2)パネラー杉田さん:「作品と捉えている」「お二人の作品づくり」という言葉がとても素敵だと思った。
(3)パネラー小村さん:タイトルとストーリーをつけるという話はわかりやすく惹きつけられる。この言葉は魅力的な言葉だからこそもっと冒頭で聞きたい。

SORAの大切にする「結婚する二人ならではの指輪を作る」という想いを強く印象付けられていることがうかがえます。

3人のコメントが3つぴったり揃うということは、本当にわかりやすく魅力的なのでしょう。お客様は来店時、指輪という「もの」を手に入れることを目的にしています。それに対して、SORAの考え方を魅力ある言葉で端的に伝えることで、一気にブランドの世界観に引き込むことができているのではないかと思います。

クラウドトレーニング

PARADOX
江本さん

同時に、本場面のディスカッションと合わせて、冒頭3分までの導入部にて「要改善」とのフィードバックが入っていることにも話が及びました。

program-image
クラウドトレーニング

Co-Growth
佐々木

「指輪にタイトルとストーリーをつける」という表現はSORAのサービスが何であるか、イメージできる言葉を選ばれていますね。
一方、冒頭3分(営業実践動画 - Before)に要改善のフィードバックが入っていますが、最初はサービスのイメージや今何について話しているのかがよく分からなかったのではないかと思います。
課題意識や想いを語られていますが、導入部でSORAのサービスをイメージができる方が良いと思いました。

その点で、「指輪にタイトルとストーリーをつける」という言葉を冒頭に持ってくるのはすごく良いのではないかと思います。

クラウドトレーニング

PARADOX
江本さん

クラウドトレーニング

Co-Growth
佐々木

今回、冒頭で「結婚指輪を必要とする理由」についての質問をしていますが、この質問はとても良いと思うのですよね。動画33秒~(営業実践動画 - Before)のパネラー小村さんのコメントにもあるように、消費者の関心を引くことができると思います。消費者の課題意識に当てはまる問いだと思うのです。同時に、まず最初にSORAのサービスをイメージできると、想いや背景にある課題意識がより伝わるのではないかと思います。想いや背景を伝えるというのはとても良いです。あとは、順番を入れ替えるとより自然に印象付けられるのではないでしょうか。

SORAが具体的に何をしたいのか、何を作りたいのかという想いの部分を初めに語っていましたが、お客様に具体的なイメージを持ってもらい、そこから想いの部分を伝えていくというのが、お客様にとっては理解しやすいのではないかと思いました。

クラウドトレーニング

SORA
月舘さん

- ポイント②:脱ネガティブ。表現はポジティブに。伝え方ひとつで伝わり方は変わる。

宮田さんインタビュー中の写真

続いてピックアップされたのは、もっとこうしたらいいなという要改善コメントが重なっている場面1分30秒~(営業実践動画 - Before)でした。

【動画再生】「指輪を選ぶ際に、人気のブランドや可愛いという理由だけで選ぶと、そこに意味合いがなくなってしまいます。また好みだけで作ると、好みが変わった際につけなくなってしまいます。それはもったいないなと思うじゃないですか。SORAの指輪作りに関しては、これから新たな人生のスタートに立つお二人が、これからの未来に向けて、期待だったり希望だったりを込められるような指輪作りを一緒にさせていただきたいという想いがあります。」

パネラー2人からこのようなコメントがありました。

◆パネラーからのコメント

(1)パネラー安田さん:結婚指輪がなぜ必要かについて考えるのは良いと思いますが、「意味合いがなくなってしまう」という言葉に課題がある
(2)パネラー杉田さん:「つけなくなるのがもったいないから、未来への期待や想いをこめた指輪作りをする」と言うよりも、「ずっと身につけてもらいたいから、未来への期待や想いを込めた指輪作りをする」のほうが響く

確かに、伝えたいことがネガティブな表現になってしまったと思っています。
ご指摘のように、意味がなくなってしまうというよりは、50年先まで大切にできるものであってほしいということを伝えたかったです。
好きなブランドや可愛さで指輪を選ぶことを否定しているわけではなく、憧れる要因や可愛いと感じる理由はお客様の趣味趣向を知る上で重要な要素だと思っています。

それをお客様が言えなくなるような言葉選びになっていた点は、とても反省すべきだと思いました。
お客様にどんな判断力をもって選んで頂くか、ということを主題にして伝えられると良いと思います。

クラウドトレーニング

SORA
月舘さん

ここで、フィードバックを入力したパネラーの方にもご意見を伺ってみました。

クラウドトレーニング

パネラー
杉田さん

今のお話を聞いて共感する部分も多く、よりSORAさんの魅力に気づけたように思いました。競合他社に対して排他的な表現にしてしまうと、変にライバル意識をしている営業トークのように感じ、もったいないと思います。今お話しいただいたことを素直に伝えていただければ、ファンになると思います。

根本にある想いや課題意識については消費者の方も共感するところが多いのだと思います。同時に、営業担当者の伝え方一つで、伝わるか共感を得られるかが変わるように思いました。お客様に伝わる言葉選びは大切ですね。

クラウドトレーニング

Co-Growth
佐々木

- ポイント③:コンセプトは説明するのではなく、お客様のイメージを形作る中で自然に伝える。

宮田さんインタビュー中の写真

最後に取り上げたのは、新たなサービス「DRIP」の説明4分30秒~(営業実践動画 - Before)です。

【動画再生】「(資料を見せながら)指輪はコンパスと書かれているんですけれども、ご結婚は航海に出るような感じかなと思っています。航海に出る時はコンパスがないと方向が分からなくなってしまうじゃないですか。指輪が方向を指し示す指針であってほしいということでコンパスとしています。そのためには、私たちが提供させていただくサービスDRIPというものがあります。Dialogue対話、Realize理解、Insight洞察、Propose提案。そのD、R、I、Pをとって、DRIPと私達が呼んでいます。お二人と対話(Dialogue)をさせていただきながら、私達はそれを理解(Realize)します。そして、洞察(Insight)と書かれているのですが、これはドリップの抽出を意味しています。お二人の要素をたくさん抽出していって、それを言葉と形で提案(Propose)させていただきたいというものです。このDRIPという形でサービスを提供させていただいております。」

パネラーからは以下のようなコメントがありました。

◆パネラーからのコメント

(1)パネラー小村さん:DRIPが急に出てくる印象がある。コンパスという言葉が出てきて、すぐにDRIPが出てくるので、横文字が並んで少し分かりにくく感じた。
(2)パネラー安田さん:D、R、I、Pの説明が速足で、理解が難しい。また、この時点ではDRIPで何をするのかまで説明していないので、期待と不安の両方が生まれそうだと感じる。サービス名のD、R、I、Pそれぞれの説明よりも先に、DRIPがどういったサービスなのか(お客様に何を聞くか等)の簡単な内容説明がある方が、理解しやすく期待も高まりそうだと思う。

コンセプトを伝えるため、DRIPという言葉の説明とDRIPに込めた思いの説明をどう両立していくかが難題です。
ブランディングを手掛けたPARADOXさんに話を伺ってみました。

クラウドトレーニング

PARADOX
江本さん

DRIPについて話す目的は、DRIPの意味合い(言葉)を説明することではなく、お客様に自分たちの未来の指針を作ってもらうこと(思い)を伝えることです。そのための手段としてDRIPという言葉を用いています。そのような伝え方の順番が良いと思います。
また、6分3秒~(営業実践動画 - Before)のパネラー小村さんのコメントに、「抽象論が多いので、事例の指輪を2つくらい見せながら話していただけたらサービスのイメージが湧くと思います」とありました。具体的なお客様の作品事例を紹介できると良いですね。指輪を見せながら、作る工程としてのD、R、I、Pを紹介することで、イメージが湧きやすいのではないかと思いました。

DRIPを伝える際、紙面でDが何と説明するよりも、「この指輪を作る際には、まず最初にお客様がどのようなメッセージを込めたいのか、対話を通じて理解に努めます。この対話を意味するDialogueがDRIPのDです。」のように、何をするのかを伝えながら自然とDRIPの意味を伝えられると良いですね。

クラウドトレーニング

Co-Growth
佐々木

クラウドトレーニング

PARADOX
鈴木さん

ジュエリーをオリジナルで作るということは頭に浮かぶと思いますが、指針を込めるということやそこにプロセスがあることは、聞き手のお客様の頭の中はないことだと思います。
頭にないことだからこそサービスになるのですが、その分イメージをしにくくなります。そのため、これまでのコメントでは冒頭から具体的に知りたかった、という話になるのでしょう。

より具体的にイメージが湧くようにまず何をするか、そのためにはこのようなプロセスがある(手段)ということをできるかぎり具体的に伝えて、その上でなぜこんなことやっているか(理由)という順番で伝える方が分かりやすいと思います。
なぜこのようなプロセスを行っているか(手段や理由)が先に伝えられていることで、具体的にイメージにするまでに時間がかかってしまったように思います。

今回のような事象はSORAさんだけに限らず、今まで世の中になかった新しいサービスもしくは、聞き手であるお客様の頭の中にないサービスを打ち出す企業には、起こりやすいことかもしれません。

以上が当日のディスカッションでした。
ポイントは下記の通りです。

◆ポイント

①サービスの世界観を具体的にイメージできる言葉を冒頭へ。
②脱ネガティブ。表現はポジティブに。伝え方ひとつで伝わり方は変わる。
③コンセプトは説明するのではなく、お客様のイメージを形作る中で自然に伝える。

3.質疑応答

ワークショップ当日、本ワークショップを自社での営業力育成の参考にするためオブザーブ参加された方から出た質問を以下の通りまとめました。

Q.パネラーはどのような方でしょうか?
営業力強化の専門家等ではなく、SORAのサービス消費者層にあたる年代(20~30代)の方々です。
お客様と同じプロフィールの方々数名にパネラーをお願いし、「営業内容の提案/指導」ではなく率直なお客様の一意見として、営業内容に対するコメントをいただいています。

営業視点からかなり有効なコメントが入っていたかと思いますが、一人のお客様としての率直な感想を入れてくださいと言うととても参考になる意見が入るのですよね。
なお、リフレクトルについても3人のうち1人は使用経験がありますが、2人は初めてです。それでも問題なく、今回のようなコメントが入りました。

Q.パネラーの方とは秘密保持契約を結んでいますか?
秘密保持契約は結んでおりません。今回取り扱った題材は、実際にお客様にご案内する内容なので、オープンなものです。(ワークショップ開催時は)サービスのリリース直前ということでしたが、これからご案内する内容なので問題ないとの合意の上で実施しました。
実際のお客様から具体的なコメントをもらう機会は、あまりないと思います。今回は営業のありのままの姿を見てもらい、コメントを入れていただきました。このような取り組みは本ワークショップに限らず、普段の営業活動における対話力を磨いていく上で重要だと思います。

4.ワークショップ後の「営業実践動画 -After」

最後に、本ワークショップ後に撮影いただいたSORAの「営業実践動画 - After」を掲載します。
SORA月舘さんからは、「自分自身のトークを客観的に見てご意見を頂く、いい機会になったと思います。
本ワークショップを通して、筋道を立てて説明できていなかったことに気づくことができました。」とのお言葉をいただきました。ぜひ「営業実践動画 - Before」からの変化を実感ください!

<営業実践動画 - After>

いかがでしたでしょうか?
リフレクトルを活用して、皆が感じたことを言語化することで見える化し、ワークショップの中で議論したことで、ここまで変化しました。

今回、リフレクトルの活用事例の一つとして「お客様(消費者)のフィードバックを基に、営業を改善していく」というワークショップをご紹介しました。
社内でリフレクトルを用いた営業力強化の取り組みとして、ワークショップ/システム利用を行いたいと思ってくださった方は、ぜひお気軽にご連絡ください!

PARADOXさんロゴ

PARADOXは「志の実現に貢献する」ことに取り組むブランディング&クリエイティブの会社です。 企業が事業を通じて届けたい志を、どのような言葉とデザインで伝えるのか。数多くの企業のコミュニケーションづくりに関わってきました。

Co-Growthロゴ

Co-Growthはクラウド・トレーニングのためのシステム「リフレクトル」の開発・運用元で、商談力や面談力等、ビジネスコミュニケーション力強化のデジタルを活かした仕組みづくりを手掛けています。効果的なフィードバックをオンラインで交換する場のファシリテーション経験も豊富です。

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導入実績

「社員一人一人に成長して結果を出す責任を持ってもらうと同時に、
企業には、皆が結果を出し、仕事から充実感を得られるよう努める義務がある」
そうした信念のあるクライアント企業と共にリフレクトルは歩んでいきたいと考えています。