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指導の目線を合わせることで、社員が育つ環境をつくる

営業のマニュアルを動画化し、ロープレで一人ひとりが実践。その際指導者同士の目線合わせに力を入れることで、ズレのない指導を実現し、若手メンバーに寄り添った教育で、皆が成長できる環境を整えた事例

株式会社 アート建工

Introduction

「山陰の気候風土に最も適した戸建住宅を建てること」を経営理念に、山陰地方に根付いて注文住宅の建設や建売住宅の販売を手掛けているアート建工。
昭和60年に創業してから着実に実績を重ね、令和2年度の注文系ビルダー成長性売上高伸率では全国3位に輝くなど確実に成長を続けています。

会社が成長し社員もどんどん増えていくなかで、教育環境の整備が急務と捉えリフレクトルを導入し社員教育への取り組みに力を入れ始めました。若手の成長を促すのはもちろんのこと、異なるバックボーンを持つ指導者の目線をどのように合わせていくのか指導側の課題にも焦点を当てながら取り組みを進めています。


今回は店長兼責任者の大家総一さんに、取り組んでいる内容や運用によって得られた効果・今後の課題などをお聞きしました。



プロフィール写真

▶大家総一さん

不動産FCの店長・ローコスト系工務店の営業・意匠系工務店の執行役員兼店長を経て、アート建工に入社。現在は鳥取市で店長兼責任者を務めている。

1. 注文系ビルダー成長性売上高伸率「全国3位」。成長著しい地元密着型工務店

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アート建工は、鳥取県米子市に本社を構え、山陰地方で5つの営業部隊を持つ地域密着型の工務店です。令和2年度の着工数は、鳥取県で2位・山陰で3位の実績があります。令和2年のJSK認定住宅産業研究所が発表した、注文系ビルダー成長性・売上高伸率では全国3位に輝くなど 急成長を遂げている会社です。今後拠点も増やしていく予定で、フルオーダーの注文住宅部隊を3拠点で出店する見込みとなっています。現在フルオーダーの注文住宅部隊が1つある他、トコスホームと言う企画型の注文住宅の展開やトコスホームの店舗でマチリブという名前の建売住宅の販売も手掛けています。事業が広がる中で、人員も大きく増える計画であり、育成の仕組みづくりは重要な課題でした。

2. 指導のばらつきにより生まれるスキルの差をなくしたい。リフレクトルの導入で、指導者の目線を合わせる仕組みづくりを目指した

リフレクトルを導入する前の状況として、多店舗展開をするために必要なマネージャークラスの人材を中途採用することには成功したのですが、各々が自分のやり方で指導をしていたためスタッフのオペレーションやスキルにかなりの差が発生していました。課題を解決するため営業マニュアルを作ることになり完成しかけていたのですが、営業マニュアルは存在するだけでは意味がなく、一人ひとりが実践できるようになってこそ価値が出ます。そこでロープレをしていこうと考えたのですが、決まったことを徹底するのは難しく、徹底させる仕組み作りが非常に重要だと考えていた時に、リフレクトルに出会い導入を決めました。

3. リフレクトルの具体的な取り組みのご紹介

①営業マニュアルに基づくカリキュラムを作成。それに沿って実践を動画で記録

リフレクトルの画像

それまでロープレの文化が全くない状態のなかで、まず最初に取り組んだのは作成したマニュアルをリフレクトルに丸々、動画でアップすることでした。皆はそれを見たうえで、自分自身が実践した動画をアップしていきます。弊社は職種が複数あり中途入社の社員も多いので、全員同じカリキュラムにするのではなく一人ひとりに合わせた形で育成を行っています。経験が豊かで全項目をやる必要がない場合は、店長に決めてもらい短縮版を使い必要な項目だけを行います。カスタマーサクセスのメンバーも全てする必要はないので、短縮版でやっています。未経験もしくは経験が浅いメンバーはフルでやるように割り振っています。

②動画を見てフィードバックする運用を作るため、採点者の目線合わせミーティングを実施

リフレクトルの画像

そしてアップされた動画を、しっかりと観てあげることが、やる気と成果へとつながるので大切です。育成の対象者に対して採点者は2名~3名とし、店長クラスと副店長クラスで割り振り、曜日毎に担当を決めました。そして隔週で採点者のミーティングを実施し目線合わせ運用の問題点等々のすり合わせを行ってきました。

弊社は仕事のエリアが広く一同に集まるのが難しいため、採点者ミーティングはZoomを使い2週間に1回オンラインで行っています。具体的なミーティングの内容としては、だいたい15分ぐらいと時間決めてみんなで一斉に動画を観てコメントを書き込み、その後全員のコメントを一覧できるグラフを見ながら、中身をすり合わせていきます。実際のミーティングの様子がイメージしやすいようにコメントの一例を紹介させていただくと「今までの内容からの繋ぎを考えて話されているのはいいと思います」という褒める内容もあれば、保証内容を大手と比較して説明するロープレの動画に対して「他社を『大手』と表現して当社と対比する言い方は、当社への信頼を高める観点から、あまり良くないですね」と言ったコメントがついています。

私どもの扱っている商品は非常に高額です。間違った表現をしてしまうとお客様に嘘をついているのと変わらない状態になってしまうので、細かいニュアンスまで確認をしています。ミーティングではこのような指摘をたくさん入力しながら、擦り合わせを行い採点の基準を合わせていきます。

③採点者ミーティングにより採点者のモチベーションキープと運用について生じる悩みを適時解消することができている

採点者ミーティングによって得られた効果としては、1つは採点者のモチベーションのキープにつながったことが挙げられます。定期的に採点者が集まって話をすること自体がモチベーション維持に非常に役立ったと感じています。2つ目は、観点のすり合わせができたことです。最初は個人ごとに観点がバラバラで、すごく厳しい人もいればとてもゆるい人もいたりと極端なこともありました。採点していくなかで欲が出てきてだんだん厳しくなってしまい、合格が取れなくて、育成対象者のモチベーションが下がる問題も起こりました。そして採点者によって商談のポイントと捉えているところが微妙にズレていたりもしました。これらを擦り合わせることによって解消することができ、採点者自身も勉強になることがたくさんあったと思います。

また指導内容だけでなく、運用について生じる悩みも、話し合うことができました。例えば、ロープレを進めていく中で、「ロープレ慣れ」して、生きたロープレができていないという問題も起こりました。スタッフが営業側とお客様側に分かれてロープレをするわけですが、後半になると合格を取りに来ている動画を上げだしたんですね。お客様役が当たり障りない答えやすい質問を投げていて、無難な感じでロープレをしていました。これでは本当に必要な力が磨かれません。こうした問題にもみんなで頭悩ませながら、話し合いを重ねて進めていきました。

なお人によって、チームの習慣づくりの上手い下手には差があります。そのため、採点者側のフォローも重要だと分かりましたし、また全体でのフォローとして、週に一回全営業が集まる営業情報共有会議の場で、状況確認と対応を行うようにもしています。

column

リフレクトルの運用により、動画を通じて、社員の理解度を見抜くことが可能に

リフレクトルの運用をしてみて、録画してじっくり採点ができるので細かいニュアンスまで確認ができるようになりました。内容を理解していない状態で営業していると、言葉尻に結構現れたりします。微妙にニュアンスがおかしいなと思って突っ込んで聞くと、やっぱり理解してないんですね。気づいたことがあればその都度フォローをしています。

4. 採点者/育成できる人を増やすことが大切

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こうした育成対象者をしっかりと見てあげる取り組みでは、採点者側の負荷がそれなりにあります。一方で弊社では店長がプレイングマネジャーをやっていて割ける時間が限られている事情もあります。そのため、早めにカリキュラムに合格した中堅メンバーを引き上げて、採点者側に回ってもらったりもしました。さらに若手でも、次の責任者になり得る人材には、意識づけも含めて、早めに採点者側に回って協力してもらっています。

なお、本取り組みの全体進行のとりまとめ自体、店長ではなく、実績があり面倒見も良い、次の店長が期待されている人材に中心になってもらったことが、本当に良かったと思っています。

5. ロープレ文化の定着に向けた効果的な2つの取り組み

カリキュラムを皆が一通り履修すると、誰とロープレやっても変なご案内をする人間は減ってきて、明らかに効果が見られました。ただ、営業は突然豹変するものではなく徐々に変わってくるものなので、まだ実感をもてていないメンバーもいました。あとは、自主的にどんどん進む人もいれば、毎週背中を押されながら実践動画をアップしていた人もいたので、やりきって疲れが出た人もいました。

責任者側としてはロープレ文化を定着させたい思いを強く持って動いていますし、それが会社のために大切だと考えています。同時に、継続させるのは常に努力が必要です。いろいろアイデアを出しあい試行錯誤するなかで、上手くいった取り組みをここでは2つご紹介したいと思います。

①若手のメンバー中心でロープレの課題を設定

若手写真

1つ目が毎週金曜日に実施している、若手メンバーだけで行う自由課題のロープレです。採点者側に回ってもらった中堅メンバー2人に仕切ってもらい、店長は参加せず若手が発言しやすい状態で行っています。内容としては悩み相談や情報交換をしたうえで、週末の商談を想定したものや自分が課題と思っている内容を持ち寄り、自分で課題を決めてロープレを行います。毎週金曜日に実施しているのですが、即日リフレクトルに動画をアップしてもらい、採点者が日曜日までに採点して返すルールを作りました。採点者側がきちんと採点しないとやる側のモチベーションも下がってしまうので、ルールは徹底するように頑張っています。より具体的な撮影のルールとして、録画を開始した後、最初にその課題を設定した理由や自分の置かれている状況など、ロープレの意図を話してからロープレをやってもらっています。

②若手が必要とする見本動画の作成

2つ目は隔週で若手メンバーから見本動画が欲しい内容をリクエストしてもらい、採点者メンバーで担当を割り振り、見本動画を撮影しマニュアルとしてアップしています。こちらは2021年新卒入社で一番真面目にロープレ動画をアップし続けてくれた人にまとめ役を依頼し、隔週の採点者ミーティングまでに課題を取りまとめてもらっています。 個人による得手不得手も考慮しながら担当と期限を決めて撮影してアップをしています。

若手にロープレを徹底させるにはまずは店長がやらないとダメだろうという話になり、この取り組みが始まりました。若手から来るリクエストの一例としては、「オール樹脂サッシのメリットデメリット」「新仕様の玄関ドアの性能の説明」「瑕疵保証の請負契約時の説明」など本当に様々なものがあります。若手メンバーが困っている内容なので、責任者側も一生懸命調べて対応しています。

こちらは現在、約85本の動画がアップされています。中には中途入社メンバーが成功事例や、独自のノウハウを共有してくれている内容の動画もあります。また、動画の作成を始めたことにより、法令改正や新補助金・新仕様・値上げなど変化点を素早くマニュアル化できるメリットもありました。マニュアルを紙で作成しようとすると時間がかかりますが、動画であれば、分かっている人が10分話をすれば事足ります。

6. これから実現したいこと

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今後の課題として、育成の仕組みをより体系化することを考えています。今年から来年にかけて、さらに3店舗フルオーダーの注文住宅の店舗を増やそうとしており、人員が急速に増加しています。そのため、より一層効率的な育成の仕組みづくりが急務と考えています。リフレクトルに取り組むよう指示するのは簡単ですが、いろいろな人が係る中、誰がどこまで指導しているか分からなくなり重複指導が発生したり、社員の得手不得手も分からなくなる問題も起こっています。対策として業務遂行に必要なスキルの一覧を作り、「全く業務が遂行できない」「業務を遂行するのに補助がいる」とランクを定めていこうと考えています。評価を基に、あなたはここのスキルが現在不足しているから次の3ヶ月間で集中的にトレーニングしましょうと言うように、誰が指導に入っても共有可能な形の整備を進めています。

また、現在週1回集まってロープレを定期的に行っているのですが、決められているからやっているのが現状です。 今後は「商談で難しいご要望をお持ちのお客様との商談が予定されているので、今週ロープレやってもらっていいですか」といった要請が、自発的にスタッフから挙げられる状況までロープレが根付いてほしいと願っています。それにより、より強い組織になっていけると思っています。

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導入実績

「社員一人一人に成長して結果を出す責任を持ってもらうと同時に、
企業には、皆が結果を出し、仕事から充実感を得られるよう努める義務がある」
そうした信念のあるクライアント企業と共にリフレクトルは歩んでいきたいと考えています。