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CASE

「お客様の人生が動くときにサポートできる営業力」を「磨き続ける」仕組みを作る

お客様が住宅や不動産を購入・売却する時は、お客様の人生が動くとき。その瞬間をサポートできる営業力は、組織として、そして個々人が、日々磨き続けるからこそ実現できる。その為の仕組みを構築することで、組織全体の底上げや、若手の成長速度を上げ、離職防止につなげている事例

小田急不動産株式会社

Introduction

首都圏の人気の生活圏、小田急線沿線を中心に総合不動産業を展開する小田急不動産株式会社(以下、「小田急不動産」という)。売買仲介、新築分譲、ビル賃貸、投資開発業、買取再販業と様々な領域がある中、売買仲介部門では、どの不動産会社よりも「小田急沿線を愛し、深く知っている」という強みに益々磨きをかけ、一人ひとりが体現できるよう、2023年1月にリフレクトルを導入しました。

「市況が良い時に業績が上がるのはどこの会社でも同じ。市況が悪くなった時にも安定した業績を出せるか否かに真の実力が出る。実力は常日頃から磨いておくことが大切」との考えのもと、一人ひとりの営業力を磨き続ける仕組みを、デジタルの力を活用して築いています。

導入時に顕在化していた課題意識は何か、具体的にどのような仕組みを築いているのか、導入後の変化は何か。今回の仕組みを構築、リードしてきた伊藤さん、髙城さんにお話を伺いました。

イトウさん

▶伊藤康代さん

1988年新卒入社。仲介事業本部 仲介営業部 営業企画グループ・担当課長。入社後、町田店、相模大野店での売買仲介の営業を担当した後に、本社業務を経て、大和店で店長に就任。その経験をもとに、再び本社にて、営業企画グループの担当課長として、仲介事業の営業力強化をリード。育成にも直接関わる。

タカシロさん

▶髙城拓哉さん

2018年新卒入社。仲介事業本部 仲介営業部 営業企画グループ・チーフ。入社後5年間、海老名店にて売買仲介の営業を担当し、2021年には年間契約件数No.1を獲得。2023年に現在の営業企画グループへ異動してからは自身の経験を活かし、若手の育成、営業力強化に取り組んでいる。

1.市況が悪いときこそ問われる営業力

最初に、今回の営業力向上の取り組みの背景をお聞かせください。

伊藤さん:まず私たちは、「この街を愛し、ここにしかない人生の景色を描く」の事業理念のもと、どの不動産会社よりも小田急沿線を愛し詳しく知り、他社では提供できないサービスを提供することにより差別化を図っています。
そのために、数字での業績はもちろん大切ですが、目先の数字のみに捉われず、リピート、紹介、口コミを含めた長い時間軸でお客様とお付き合いできる、姿勢と実力を大切にしています。
不動産の売買をする時は、人生が動くとき。楽しいときも悲しいときもある。そうしたお客様の人生の1ページに関わる気持ちをもって仕事をしなければ、お金を動かして終わりになり、人生の景色を描くお付き合いはできません。
リフレクトル導入前の一年は、一人ひとりの努力とチームを中心とした協力体制、そして市況の波にうまく乗り2期連続の好成績を残した私たちですが、潮目が変わりつつあるのを見逃さなかった仲介営業部長の「市況に左右されずに継続的に利益創出ができる体制を確立する。」という熱い志が共有されました。そして焦点を「豊かな営業力」にあて、財産化していくことを課題と認識したのです。

髙城さん:市況が良い時には、どの会社も同じように業績を出しやすい状況にあります。
一方で市況が悪いときにこそ実力が問われ、安定的に業績を出していくには、最終的に住宅に住まわれるお客様への対応力、つまり「お客様の人生が動くとき」にどれだけ寄り添い、最適な提案ができるかが重要になると考えています。
事業理念が一人ひとりの社員に浸透し、それを確かな営業力で支えているからリピーターや口コミによる紹介を得られる。この地道な積み重ねが安定した業績に繋がります。

伊藤さん:更には、紹介の依頼について、日本人は遠慮しがちですが、幸せのおすそわけですからもっと言葉に出して良いとも思っています。同時に、小田急不動産の営業担当が、胸を張って紹介やリピートをお客様に依頼できるためには、顧客感動を伴った十分な営業力が必要だと考えています。

2.大切だがなかなか根付いていなかったロープレを、実行できるように

リフレクトル導入前はどのようにして営業力の向上をはかっていましたか

伊藤さん:5年ほど前、売却査定の一括サイトからの問い合わせで競合に勝つために、外部のコンサルタントの力も借りて、営業力強化に取り組みました。それがきっかけとなり、ロープレが大切という認識が生まれ、社内でのロープレが始まりました。またお客様訪問前に店長と一緒に営業の進め方を「プレシンキング」、帰ってきたらその結果を店長と一緒に「レビュー(振返り検討しなおす)」する取り組みも行いました。
ただそれらが文化として根付いていたかというと、「そういうのも大事だよね」という位置づけにとどまっている状況も散見され、店舗ごとに実施状況のバラツキがありました。
それがリフレクトルを入れることによって、皆が取り組む環境が出来ました。実施状況が見える化することも勿論ですが、リフレクトルではカリキュラムという取り組むべきテーマリストを作成できるので、それに沿って実施すると道筋が明確になったことも要因だと思います。「ロープレをしましょう」という掛け声だけでは、「何を?」となってしまうので。

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3.良い営業の再現性を持たせられることと、磨き上げられることが、導入の決め手

リフレクトル導入検討の際、決め手となったことは何ですか?

伊藤さん:大きく2つあります。
ひとつは、誰もが良い営業をできるようになる、良い営業に再現性を持たせられる、そんな仕組みをつくれると感じられたことです。まずナレッジを本棚に入れていくように収納し、必要なときにいつでも取り出して、みんなで共有できる点が良いと思いました。私たちは他社様よりも良い営業をしているという自負があります。お客様とお会いする機会があれば、成約に至る確率は高い。そんな中でも、先日も大ベテランが定年を迎えました。また部署異動する人もいます。そうした人たちのノウハウもしっかりと蓄積し共有していきたいと考えています。
またアウトプットをする、バッターボックスに立つ機会を増やせることも大きいですね。例えば私たちは小田急線沿線の街に一番詳しいという自負がありますが、それを口に出していうことが苦手な人も多くいます。これに関して、私は入社の研修の時に、「奥さんや彼女の好きな食べ物を知っている? お花を知っている?」とよく聞きます。返ってくるのは「・・・」という反応。そこで「口に出して言わないとお互い分からないよね。それは営業も一緒。つまり私たちがお客様に提供できる他社にない強みを口に出していくことはとても大切で、それを押しつけがましいとはお客様も思わない。なので口に出して伝えましょう」と言っています。
その上で、頭で理解するだけでは、まだできるようにはなりません。そこでリフレクトルで口に出す練習をすれば、次に使えるようになります。バッターボックスに立ってみて、今まで振ったことの無い振り方をしてみることが大切です。「思い切って言ってみたらどうでしたか?」と聞くと、「次はお客様の前で言ってみます」と返ってきます。

もうひとつは、営業の「磨き上げ」ができることです。リフレクトルのご案内でこのキーワードを聞いたときに「ワオ!」と思いました。例えば、髙城の営業は素晴らしいです。素晴らしいのですが、それをさらに磨きあげていけば、もっと良いお手本ができる。「磨き上げ」とは社内のメンバーの言葉を重ねていきながら作り上げる当社の財産作りだと思いました。
なお、操作性の良さについては、決め手というよりも、店舗に入れたときに使えるかな、という視点で見ていました。デジタルに強くないメンバーもいますし、年齢も若手からベテランまで様々です。それでも「感覚で動かせるので大丈夫」という感覚を持てたので、障壁にはなりませんでした。

4.テーマをリスト化し、個人として、磨き上げる

具体的にどのような取り組みをしていますか?

髙城さん:まず営業の基本的な流れを整理し、一人ひとりがロープレをしていくテーマの一覧を作成しました。これをカリキュラムという形でリフレクトルに登録しています。売り営業(不動産を売却したいお客様との商談)と買い営業(不動産を購入したいお客様との商談)の両方整備し、取り組んでいます。そして、皆さんが撮影したロープレ動画の中から、お手本動画に相応しい動画を「ナレッジ認定」し、お手本動画を蓄積していっています。
このテーマリストに沿って、各テーマ、図1のステップを1ターンとして取り組んでいます。まず「Take 1」として各店でロープレをし、リフレクトルで記録します。その上で「キーポイントワーク」というワークショップに、育成対象者および店長がオンラインで参加します。ここでは事務局が選定したロープレ動画に対して、どこが良いのか、改善できるかを皆が入力し、お互いの観方を持ち寄って議論をします。その議論を踏まえて、「Take 2」を各店でロープレし、店長からフィードバックを受けます。
なお、「Take 1」の前には、あえてお手本動画は用意していません。見たものをそのまま真似しようとするよりも、まずは自分たちが普段実践している、或いは良い形を考えている内容を実践することが大切だと思うからです。その上で他の人の実践と見比べると、自ら考える力が高まると考えています。

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5.なぜできたのかを具体的な言葉にする力が、効く

今後、リフレクトルをどのように活用していきたいですか?

髙城さん:キーポイントワークからは小田急不動産としての営業の形を磨き上げられ、そして「Take 1」と「Take 2」を重ねることで、個々人の営業を磨き上げられていると感じています。
「Take 1」は自己流のやり方が強いと感じた人が、Take 2を観たときに、他の人の良い営業トークを自分の営業の中に取り入れていて、「ちゃんとモノにしている」ことが伝わってきました。
そこに効いているのは、自らを動画で振り返ること、そして店長からのフィードバックだと思います。普段の接客の中で、店長から直接フィードバックを受けることって少ないと思います。それをしっかりともらえるのは良い機会ですね。

伊藤さん:加えて、店長のフィードバック力はとても大切だと考えているので、店長を対象にしたフィードバック勉強会も開催しました。同じ動画にリフレクトルで入力したフィードバックを見比べると、具体的で改善策も示されているフィードバックもあれば、抽象的なコメントもありました。その上で、あるべきフィードバックの姿を議論すると、店長のコメントはぐっと進化しました。「良くできている」「あまり良くない」というコメントと「どこが、なぜ良いか」を言葉にできているコメントでは大きな違いを生みますね。
例えば、店長の「落ち着いて話せていて良い」というコメントは、「お客様の回答に対して、まずは『ありがとうございます!』と返答をしてから、その後のご説明に入っているのが好印象です。」と書くとより良かった点を具体的に認識でき、「説明が良く分からない」というコメントは、「『借入可能額等がシミュレーションできる』という説明だが、お客様は自身でネットやスマホアプリで簡単にシミュレーションできてしまう。当社で行うシミュレーションのメリットをお客様がイメージできるように説明したい。」や「家賃を聞けているので家賃7.8万円であればローンがいくら借りられるかさらっと言えるとプロっぽいです」と書くと、何が良くなかったか、どう改善すれば良いかが分かります。
具体的に言葉にできる力は店長だけでなく、若手にとっても大切だと思います。「何となくできた」から「何故できたのか」を具体的に認識できる状態に至れたことは、成長の武器になっています。それが営業の再現性です。早ければ早いほど良いことです。それを1、2年目で得られていることは、いまの若手はとてもラッキーですし、自分が新入社員の頃にもあったら良かったとも感じます。

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6.今後の展望、大切にしていきたいこと

今後の展望、大切にしていきたいことをお聞かせください。

髙城さん:不動産の仲介営業は、なかなか自分の営業を他の人と共有する文化が無かったりもしますが、リフレクトルを通じてそうした文化を企業風土として根付かせ、一人で成長するよりも、より成長速度を上げる環境をつくっていきたいと思います。

伊藤さん:また、営業の再現性を高めることは大切ですが、営業は正解が無いと認識しているため、リフレクトルを使って正解をつくろうとは思っていません。営業を「磨き上げる」ために使っていきたいと思っています。
営業って「自分の営業はこれでいいや」と思ってしまった時から、お客様との距離がだんだん広がっていくと思います。お客様は変化していますので、それについていけなくなった時、個人も会社も衰退していくと考えています。そのため、 自分の営業はずっと進化し続けていくものなのだ、し続けられるんだ、し続けなければいけないのだということを、自分の動画を振り返ることによって気づいていける、そのツールを私たちはラッキーにも手にしたので、使い続けていきたいと思います。
その先には、私たちのミッションである、お客様と共にこの街を愛し、ここにしかない人生の景色を描いていくことを叶え続けていきたいと思っています。

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導入実績

「社員一人一人に成長して結果を出す責任を持ってもらうと同時に、
企業には、皆が結果を出し、仕事から充実感を得られるよう努める義務がある」
そうした信念のあるクライアント企業と共にリフレクトルは歩んでいきたいと考えています。