Introduction
「ありがとうカード」のクラウドサービス「THANKS GIFT (サンクスギフト)」を急速に拡げている株式会社Take Action。 採用支援にルーツを持つ同社は、採用後の定着に本腰を入れており、「定着業界をニッポンの新基準に!」を掲げて、 THANKS GIFTの普及に取り組んでいます。
THANKS GIFTの営業チーム(フィールドセールス)は、同社の商談のほぼ全てを占めるインバウンドのお問い合わせに、
主にZoomを用いたオンライン・コミュニケーションで対応しています。潜在顧客の「組織課題~感謝を伝える組織文化をつくる~」の相談相手を務めるという、本質的な力が問われる営業接客です。
その営業接客力を高めようと、この度、お客様から許可を頂いて実商談を録画に残し、
お客様の課題解決の力になれているかを分析、トレーニングする、2か月間の集中強化プログラムを実施。
本プログラムの主役の一人、新卒入社3年目の期待の若手・宮田康平さんは、見事、
平均売上・社数ともに単月平均の3倍の成果をあげ、目標を達成して昇進。
そして営業についての考え方に大きな発展がみられました。
今回は宮田さん、およびTHANKS GIFTの営業とカスタマーサクセスを統括する役員の加藤大貴さんにお話を伺いました。
Index
1. 加藤大貴さんへのインタビュー(前半)
▶専務取締役 COO|加藤大貴さん
新卒で株式会社マイナビに入社。求人メディアの新規事業立上げを経験、約11年半メディアの企画営業と組織運営に従事。 東海、近畿、北陸と西日本を中心に述べ1万社の採用支援と1000人のマネジメントを行う。 Take Actionのミッション『働く人に熱を。組織にエネルギーを。』に強く共感し、2020年COOとして入社。 採用・定着・活躍事業の全体戦略を指揮する。
背景 : お問い合わせくださったお客様の課題の解決に、我々のサービスが役立つ可能性を100%伝えられる状態をつくりたい
THANKS GIFTは現在、組織内のコミュニケーションツール、感謝を通じて企業理念を浸透させるツールとして、500社以上の企業にご導入頂いています。
今回の集中強化プログラムについてお話をする前に少し、THANKS GIFTの将来像をお伝えさせてください。
我々が描いているのは、まず使われる場所が、現在の「企業内」に加え「社会」へと広がることです。
例えば学校や地域コミュニティの中で感謝を伝えるために使って頂くようになっている。
幅広い人々が、お互いを思いやり、相互で補い合う関係性をつくる。
それを実現するサービスとなることで、豊かで持続的な社会の実現に貢献できればと思っています。
そうした大きな絵を実現するためにも、力強く成長する事業計画を描いています。
中期経営計画では、3年で活用企業数が3倍、収益が2倍です。
足元では現在、お問い合わせ数が毎月過去最高を記録しています。
これは、コロナ禍で社員同士のコミュニケーションが希薄化するなか、THANKS GIFTが解決策として求められていることが一つ。
同時に、コロナ禍か平時かに関わらない、お互いに感謝を伝えることの重要性の認識がこのタイミングで高まっていることも、お問い合わせ数増加につながっていると感じています。
この状況において、課題として焦点を当てているのが、受注率です。売上に直結するというビジネス的な観点でも重要ですが、更に本質的な意味があると考えています。
THANKS GIFTの商談は、ほとんどがインバウンド。お問い合わせから来るものです。当方から無理に時間をとっていただくお願いはしていません。
それはすなわち、お客様がお問い合わせをする時点で、課題があるということです。その課題を、サービスを介して払しょくすることが、我々の使命です。
そうであるから、応対する営業パーソンが、本質的な課題に共に向かい合い、我々の商材を使って解決しましょうと言えている状態になっていないことは、時間を使って頂いているお客様に対して失礼だと思っています。
100%そうした状態ができた上で、お客様が、今ではないとか、他社サービスの方が実現したいことを叶えられると判断されているのであれば、それで良いでしょう。
しかし、実際の営業を見てみると、自分たちの「売りたい」が先行してしまい、お客様の本質的な課題に向かい合えていないことも多い。
お客様が正しい認識を持てないままで「うちには合わない」となることが、しばしば起きている。
受注率を上げるとは、できる限り100%の状態に持っていき、より打率高くお客様の課題解決に役に立てるようになることです。
今回、リフレクトルを活用した2か月間の集中強化プログラムの提案があった際、主体はもちろん自分たちだと考えている上で、
自力だけでやるよりも、第三者かつ営業プロフェッショナルである方からの意見を聞くことが、100%の状態に近づく力になると感じ、プログラムを実施することにしました。
2. 今回のプログラムの流れのご紹介
今回の取り組みの全体像は以下の通りです。最初に、現状と目標の整理、関係構築のための1時間のオリエンテーションを、オンラインで実施しました。
その後、第1回目のトレーニングセッションを実施。
担当トレーナーが(お客様に許可を頂いて録画した)商談動画に事前にフィードバックを入力した上で臨みました。
オリエンテーション、トレーニングセッション共に、営業を統括する加藤さんも同席しています。
そこで得た気づきを意識しながら、宮田さんは実商談に臨みます。
そして次のトレーニングの少し前までに商談動画をトレーナーに共有。トレーニングセッションを実施します。
この2週間1サイクルのトレーニングに4サイクル取り組みました。
3. 加藤大貴さんへのインタビュー(後半)
得られたこと
今回、対象者・宮田の、少々チャレンジングな状況にあった「今期の売上目標の達成」を成功基準に掲げてプログラムに臨み、見事達成できました。
売上目標の達成には勿論、本プログラムだけでなく、色々な要素が関わっています。
その上で本プログラムについて、どの力を伸ばすことに焦点を当てたのかの説明を受け、
該当する場面のBefore-Afterの動画を確認しましたが、これが目標達成に確かに役立ったと実感しています。
そして、外部の営業プロフェッショナルに関わってもらったことで、自分たちだけでは見えなかったことが見えるようになりました。
「お客様のこの疑問の解消には、この事例を取り上げて、もっと具体的に伝えられると良い」など。
なお、ここまでは、他の営業研修の会社やコンサルタントにお願いしても気づきを得られたかもしれません。
それに対して本プログラムは、クラウド・トレーニング・システム「リフレクトル」を活用することで、
知見がデータとして残り、一過性にならないことは大きなメリットだと感じました。
新しいメンバーが加わったときにも、答えられるべきことの一覧を共有し、お手本の実践を動画で見てもらえる。
営業部門でありがちな、できる人はその場で対処しているけれども、組織のノウハウとしては積み重ならない悩みが解消できるものだと思います。
更に取り組んでいきたいこと
今回のような1on1のトレーニングは短期集中で力を伸ばすのに効果的であると同時に、
常時、プロのトレーナーに依頼したり、或いは上司が担うことは、リソース的に限界があるでしょう。
特定の強化期間、或いは新人の配属後の定められた時期、などと期間を決めて実施するのが良い形かと思っています。
またそれとは別の形で、日々、皆であるべき営業の姿について議論し、組織として知見を蓄積する取り組みができればと思っています。
具体的には、誰かの商談を題材として取り上げ、「この課題を抱えているお客様に対して、この質問で課題を鮮明にしたことが良い。」
「この課題であれば、我々のサービスをこう案内するのが良い」などと、皆がフィードバックを入力して議論する。
それを組織知としてデータに蓄え、その時だけでなくいつでも参照できるようにする。
さらには日々接するお客様の課題を題材に、我々のサービスそのもののあり方も皆で議論して行ければと思っています。
その際はリフレクトルというツールだけでなく、今回のようにプロフェッショナルにも関わってもらい、
第三者の視点・切り口を議論に取り入れていこうと考えています。
今回は個人をターゲットに短期でインパクトを出すことに焦点を当てましたが、
新たな取り組みでは組織全体の底上げを狙います。
中長期的な視点から、120%の組織を作ることが大切だと感じています。
4. 宮田康平さんへのインタビュー
▶宮田康平さん
2019年、新卒で株式会社Take Actionに入社。 「アプリで社員のコミュニケーションを活性化するなど、親世代は知らないような、 これまでに無いものに面白さを感じた」ことが入社の理由。 以来、THANKS GIFTの営業パーソンとしてキャリアを重ねる。
プログラム前と今を比べて、何が変わったと思いますか。
佐々木
宮田さん
今期中の目標を達成できたのは本プログラムとトレーナーの方のお陰だと思っておりますし、
商材の知識ももちろん大切ですが営業としての能力が上がった気がします。
何より、以前はTHANKS GIFTを売れれば良いと考えていましたが、
今は、THANKS GIFTを通して、お客様の課題を解決すること、さらにその先に起こせる変化に、より興味を持つようになりました。
私は社会人3年目ですが、営業として社会で働き始め、初めて取り扱ったサービスがTHANKS GIFTです。
このことは幸運だったと思っています。それはお客様にとって大切なコミュニケーションを日々後押しできる実感を私自身が持てるから、
そしてお客様の会社にサービスがすぐに溶け込めるから、です。
同期先輩を問わず、一言ありがとうと言っておけばよかったなと思う時は誰にでもあります。
その言いそびれたときにTHANKS GIFTが助けてくれます。いつでも一言を送れます。
また会社の「理念」はとても大切なものですが、日々の業務では意識し難かったりします。
それに対して上司から、理念に紐づいたコインがメッセージとともに送られてきます。
良かった行動に対して一言、皆がアクセスできる場所で褒めてもらえると、承認欲求が満たされると共に、自分の中で理念を振り返ることができます。
THANKS GIFTはこうした素晴らしいサービスですが、同時に今では、お客様の課題を解決するための、あくまで一つのツールであるとも捉えるようになりました。
THANKS GIFTについてお問い合わせくださったお客様に、なぜ興味を持ったのかを尋ね、
その背景を知ることにより、お客様が本当に求めていることが見えてきます。
その解決に、THANKS GIFTがお力になれる時にはもちろんお勧めしますが、それよりもコンサルティングや研修のご提案の方が良いときもあります。
以前はTHANKS GIFTの商談をできるだけ早くクローズすることのみを考えていましたが、今はTHANKS GIFTをその瞬間に導入頂けなくても、
お客様の課題解決のお役に立つことを第一に考えれば、結果的に、より幅広い取引や長いおつき合いにつながる実感を持てるようになりました。それを大切にしたいと思うようになりました。
とても本質的な進化ですね。どのようなことがきっかけとなりましたか。
佐々木
宮田さん
このプログラムにて、営業のプロフェッショナルのトレーナーと、実商談を一緒に動画でみながら、
あるべき姿を具体的に確認して来られたことは大きかったと感じています。
トレーナーの方の指導は本質的で、その通りだなと感じることが多いものでした。
さらに一般的な内容の「営業とは」と言った研修を受けても当事者意識を持てませんが、
自分が話している声を聞いたうえで指摘を受けたことで、とても納得感があり、あり方を変えようと思うことができました。
ちなみに、本プログラムと時を同じくして、上司が変わりました。
これまでの方は、営業として必要な、目標をしっかりともってクローズを目指すことをまず教えてくれました。
そのベースの上で、新しい上司は、クローズを焦ることなく、お客様の本質的な課題に向かい合うことにより重きを置いてくれています。
それを具体的にどのように実現するか、本プログラムを通じて感覚をつかむことができました。
例えばある商談は、始まる前はその日にクローズできる認識でいましたが、ふたを開けてみると、
参加されたお客様2名の間で、会社の理念のあり方、共有の仕方について腹を割った話し合いがされる場になり、
THANKS GIFTのクロージングの場にはなりませんでした。
それで良かったのが、自分の中でもやもやしたものがあったのですが、
動画を元にトレーナーと確認すると、私の進め方がとても良かったと言い切ってもらい、
本質的な対話を促すことにつながった場面などを取り上げて解説してもらいました。
こうしたことを経て、何となく大切にしたいと思っていたことが鮮明に、確信になりました。
またお客様との対話の進め方について。以前はお客様にヒアリングをした後、サービスのご案内に入る際、
THANKS GIFTには3つの機能がある、と伝えてそれぞれの機能をご紹介する形をとっていました。
そこに指摘を頂き、ヒアリングをしたお客様の課題に言及して、それを解決できる機能がある、という紹介の仕方に変えました。
実はこの点については、本プログラムの前にも、社内で公開ロープレをした際に、「機能の紹介をしているだけに聞こえる。
変えたほうが良いのではないか」との声がありました。それでもまだ変えていなかったものを、
今回のプログラムで指摘を受けてすぐに変えようと思い、変えることができました。
いまどのように感じていますか?
佐々木
宮田さん
お客様の課題に寄り添う営業を実践するようになって、「こっちの方が楽しい」と感じています。
まだ数は少ないですが、トレーナーの方に見て頂いたお客様のように、理念についての対話の場を作れた例などが出てきていて。
今まで自分がTHANKS GIFTという小さな世界で生きてきたことが分かりました。
正直、このプログラムを受けずに以前のまま、THANKS GIFTをご契約頂くことを目的とした営業に突っ走っていたら、
私自身が、THANKS GIFTの営業に飽きていたのではないかと思います。
期中の目標達成の力になってくださり、目標を達成して昇進できたことも嬉しかったですが、
この点が自分の営業としてのキャリアにおいて大きな収穫でした。
今後の目標として見据えていることは何ですか。
佐々木
宮田さん
自分自身が管理職となり、マネジメントを担う立場から、THANKS GIFTのことを考えていきたいと思っています。
THANKS GIFTの私自身の捉え方ですが、1年目はただのコミュニケーション・ツールとして捉えていたと思います。
理念って、こういうのがあるとうまく共有できるな、という感覚でした。
2年目、3年目となるにつれて、徐々に、上司からの期待をしっかり伝えてあげられるマネジメントのツール、と捉えるようになりました。
頑張ったことを認めると同時に、期待を伝えるということができるツールでもあると。通常、上司からの期待を明確に伝えられることは少ないと思います。
社内で仕組みとして設けられている会社でも、例えば1 on 1で月に1回など。
それに対してTHANKS GIFTは、皆が見えるところで文章という形に残しながら、期待を伝えられる。
部下から見ると分かりやすいし、行動しやすくなります。コミュニケーション・ツールからマネジメント・ツールへと捉え方が変わると、
より良い組織をつくるためのもっと活かせると感じています。
そしてこうしたことを、自分自身がマネージャーとして、マネジメントに一生懸命取り組む中で伝えて行きたいと思っています。