Introduction
株式会社グッドラック・コーポレーションは、2003年10月の創業以来、「世界中を幸せに」という企業理念 のもと、『アールイズ・ウエディング』としてハワイ・グアム・沖縄のビーチリゾートに特化したチャペルを 運営をしています。その場所でしか体験できない高単価・高付加価値なリゾートウエディングを展開しており、 グローバルを見据えた挑戦を続けています。2024年1月にリフレクトルを導入。新たに100を超える評価基準 を作成し、直営店のウエディングプランナーを対象にした成約率アップのトレーニングを実施されました。
今回は、カレッジチーム(中途入社時の研修や中堅育成を担うチーム)に所属し、プランナー育成を担う 安永さんと山本さんに、プランナー/トレーナーとしての想い、リフレクトル導入前後の変化、現場の反応、 今後の展望などについてお話を伺いました。
ご経歴

▶安永 雅代さん
2007年、名古屋栄店のウエディングプランナーとして中途入社。
チーフプランナーを経て横浜店へ異動し、支配人へ昇格する。2度の産休・育休、システム本社勤務、
トラベルプランナーなどを経て、銀座店でプランナー復帰。2024年2月からカレッジチームとの兼務
がスタート。現在はプランナーとトレーナーを4:6の割合で両立しながら育成に携わっている。

▶山本 智香子さん
2017年、大阪店のウエディングプランナーとして新卒入社。
2020年に仙台店へ異動し、支配人へと昇格。2022年、神戸三宮店オープン時の支配人を務めたのち、
2023年からは大阪本店に属し社内の様々な新規プロジェクトなどに関わりながら、カレッジチームに
て育成を担っている。
INDEX
1. 自社の結婚式の価値をしっかりと伝えられるプランナーを目指して。プランナー/トレーナーとして大切にしている想い
― はじめに、プランナーとして、トレーナーとして、大切にされている想いを聞かせてください
安永さん: 私自身も結婚して改めて感じたのですが、結婚式は一生に一度の人生の節目となる大切なイベント。だからこそ 新郎新婦様が本当に心の底から「やって良かった」と思えるものにしてほしいと考えています。そのために、新 郎新婦様のことを深く知り、一緒に考えつくし、最高の結婚式にするお手伝いをしたいという想いを持っていま す。弊社は他のプロデュース会社と異なり生い立ちが珍しく「結婚式屋さん」なのです。創業者が最高の結婚式 を創りたくて立ち上げた会社だからこそ、社員全員の結婚式に対する想いがダントツに強い会社なので、私自身 も自信を持ってその熱い想いを新郎新婦様へお伝えしています。それが伝わり、アールイズを選んでいただき、 最後にお客様から「選んで良かった」と言っていただけるのが、プランナーとして一番やりがいを感じる、嬉し い瞬間です。
山本さん: 結婚式は人生のなかで最も特別なものです。例えば、一生のうちに他人が自分のために集まってくれるのは結婚 式とお葬式だけだと言われています。また、誕生日や入学式など運命に決められた日ではなく、自分で決めるこ とができるのは「入籍日」と「結婚式の日」だけです。よく結婚式は一生に一回だと言われますが、お打合せな どの準備期間も含めて一生に一回の出来事になります。だからこそプランナーの立場で、その“特別さ”をしっか りとお客様にお伝えすることを大切にしています。私は新卒で入社して今年で9年目になります。これだけ長く この会社にいてもなお、私はアールイズの結婚式がダントツ一番だと自信があります。トレーナーとして研修を する際も初めに伝えることは「アールイズのことを好きになってほしい」ということ。中堅プランナーでも成約 率が低迷してくると営業重視になりすぎて本質を見失ってしまう人が多いですが、私たちがお客様にお届けした い価値を思い出してもらうために改めて伝えることもあります。
― 本質を見失ってテクニック重視の接客になりかけた人を、グッと元に戻してあげるのもトレーナーの大切な役割なのですね。
2.リフレクトル導入前に感じていたプランナー育成の課題と葛藤
― リフレクトル導入前にトレーナーとして課題や葛藤を感じることはあったでしょうか?
山本さん:
本来、全員共通の骨組みや台本のようなベースがしっかりとあった上に、それぞれが自分の良さをプラスしていく接客が理想だと思いますが、リフレクトル導入前の弊社の接客は、ベースとなるものが存在せず、個々の接客スタイルや色がさまざまでバラついていました。
リフレクトル導入をきっかけに新たに評価基準を作ったことで、基準に照らしてフィードバックできるようになりました。
また、これまでは自分の今までのナレッジを共有することしかできなかったので「この子にはきっとこういうトークではない方がハマるのだろうな」と感じても、幅を利かせたアドバイスができないという課題がありました。現在は、トレーナーと支配人の2者以上でフィードバックするよう徹底しており、
リフレクトルの画面上では複数のフィードバックを俯瞰でしっかりと見られるので、他の人のフィードバックの観点やコメントから学ぶことができ、自分のバリエーションも増えてきました。その点で、トレーナーである私たちの成長にも繋がっていると感じています。

3.リフレクトル導入時のそれぞれの心境
― リフレクトルの導入が決まった時、率直にどんなお気持ちでしたか?
山本さん: 個々の接客のバラつきを解消しようとする動きの中で、弊社のマーケティング部長が、前職で活用していたトレーニングツールのリフレクトルを提案してくださり、導入が決まりました。 私自身は新しいものを取り入れるのは好きなので率直に「楽しみだな」というのが最初に浮かんだ感情でした。同じことをし続けていて結果が出ないのであれば、新しいことにチャレンジして 取り入れた方がいいのかなと思っていたので、私たちカレッジチームが先陣を切って取り組むことになり、すごく楽しみな気持ちでした。
安永さん: 私はリフレクトルの導入が決まった後にカレッジチームに参加しましたが、現場が大好きなので、プランナーでいたいという気持ちが強く、最初は育成に携わること自体への不安が先行していました。 それまで育成に携わっていなかったので自信がなく、さらにシステムも導入されてなんだか難しそうという先入観もあり、ネガティブな気持ちからスタートしたというのが正直なところです。実際に 取り組みを始めてからは本当に導入して良かったと感じていますし、より良い方法を見つけて活用できたらいいなという考えに変わりました。
【株式会社グッドラック・コーポレーションにおける、リフレクトルを活用したプランナー育成の具体的な取り組み内容】
カレッジチーム所属の山本さんと安永さんがトレーナーを務め、成約率アップを目指したトレーニングでリフレクトルを活用。
事前準備として、創業以来21年分の営業ノウハウを言語化し、100を超える評価基準を作成されました。
直営店舗で接客にあたるウエディングプランナーの中から育成対象者選抜し、7月〜9月に第1弾として13名、10月〜12月に第2弾として5名に対して、オンラインとオフラインの両方でロープレ・フィードバックを実施。
一人ひとりのロープレ動画に対して、まずは本人が自分でフィードバックを入力し、その後、トレーナーと支配人の2者がフィードバックを入力して、一緒に動画を振り返りながらフィードバックを擦り合わせる運用が特徴です。
なお、リフレクトルでは、あらかじめ評価基準をセットすることで、画面上でA Iの示唆を受けながらフィードバックを入力することができます。
★ポイント①: | 育成対象者をプランナー全員でなく、選抜されたメンバーに絞っていること |
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★ポイント②: | 創業以来21年間の営業ノウハウを初めて言語化し、100を超える評価基準を作成したこと |
★ポイント③: | ロープレ動画に対して、まず本人が、その後トレーナーがフィードバックを入力し、一緒に動画を振り返りながらお互いのフィードバックを擦り合わせる運用となっていること |
4.導入当初に感じた通常業務との両立の難しさ
― 導入当初に苦労されたことがあれば教えてください。
山本さん:
トレーニングを始める前の準備段階で、評価基準を作るのがすごく大変でした。ハワイ、グアム、沖縄の3エリアがあり、エリアごとに大事にしているキーワードや接客スタイルが異なるので、
3エリアそれぞれの評価基準を作ることとなりました。これまで積み上げてきた21年間の知見を言語化していく作業は、せっかく新たに作るからにはきちんとしたものを作らなければという
大きな責任を感じつつも楽しく進められましたが、やはり一番大変だったと思います。
リフレクトルのシステム自体は触りやすく作られているので、操作で難しいと感じることは特になく、育成対象者に使い方をレクチャーするのもスムーズでした。
実際にトレーニングがスタートしてからは、フィードバックの時間を確保するのに苦労しました。1本1時間のロープレに対して、動画を視聴しフィードバックを考えて入力するのに全部で
1時間〜1時間半程度かかり、第一弾は6人担当していたので、どうやって時間を捻出したらいいのかと途方に暮れました。
安永さん:
第一弾のトレーニング期間中、私は7人を担当し、1日1人は必ずトレーニングが入っている状況でした。前日までにフィードバックを入れ終え、当日軽く復習してからトレーニングを行う
スケジュールを想定していたのですが、日中は日々のプランナー業務があり、子供がいるので遅い時間に仕事をするのも難しく。実際には、当日の朝一から1.5〜2倍速で視聴し、
フィードバックを入れてトレーニングに挑むというような時間に追われた日々を過ごしました。
今回、初めて責任を持って育成に携わり、「育成は思った以上に頭を使うな」という感想を持ちました。軽く、「初めまして」で育成できるものでなく、経歴、特徴、短所、本人が今ぶつかっている壁など
一人ひとりの背景情報を知った上でフィードバックしてあげないと伝わらず、伝わらなければ意味がないので。また、本人のモチベーションを上げ、やる気を引き出しながら進めていくところにも難しさがありました。
山本さん:
私はカレッジチームで広く育成を担当しているので、リフレクトルを活用したロープレ・フィードバック以外にも新人プランナーへのレクチャーやロープレの仕事があります。
他にもいくつかのプロジェクトやチームを担当しており、大阪店での新郎新婦様も担当をしているため週末はお打合せに入ります。必要に応じて接客のフォローに入ることもあり、普段から日中は全く時間が取れない状況です。
第一弾の期間中は、朝は早めに出勤して日中のための準備をし、日中はプロジェクトのミーティングや店舗のフォロー、そうなると私の場合は夜の方が時間を取りやすいので、
時には夜遅くまでフィードバックに取り組むというスケジュールで過ごしていました。
初めはスケジュールのコントロールに苦戦していましたが、フィードバックすればするほど、フィードバックすること自体がトレーナー側の私たちの成長に繋がっていると感じるようになっていきました。
自身の課題、反省点など新たな発見も多くあり、スケジュール的には大変でしたが、接客をこんなにも俯瞰で見るという経験をしたことがなかったので、私はすごく楽しかったです。新しいことならではの楽しみとしんどさの両方ありながらも、あっという間に第二弾まで来たという感覚です。
― お二人とも、通常業務で時間が限られる中、工夫しながら新たな育成の取り組みに挑んでくださって本当にありがとうございます。

5.リフレクトル導入後のロープレ・フィードバックの変化
― リフレクトル導入後、どのような変化がありましたか?
山本さん:
リフレクトル導入前、ロープレを行うきっかけは”低成約”になることが多く、1対1で行うロープレの内容は、「ここをこう変えよう」「こういう時はこんなトークがいいよ」と、
その場で一方的に改善点をフィードバックするものでした。
リフレクトル導入後は、成約率が悪いからロープレをするのではなく、伸び代がある人を対象にしてもっと成約率を上げるためにロープレをするというように入口から変えていきました。また、時間をかけて録画をしっかり見ることで、
改善点だけでなく良い点も沢山あるということに気がつくようになり、改善点と良い点の両方を伝えられるようになりました。以前は、限られた時間の中で改善点をできるだけ沢山伝えようとした結果、「もっと頑張らなきゃ」「自分ってダメなんだ」
と本人のモチベーションを下げてしまうこともありました。リフレクトルを使うと良い点が明確に見えて本人にもわかりやすく伝えられるので、モチベーションを上げつつ改善点をフィードバックできるようになりました。
安永さん:
ロープレに対して、悪いところを指摘されるものというネガティブな印象を持つ人もいましたが、リフレクトルでフィードバックを行うようになって、「良いところはこのまま継続して、この部分だけ改善すればもっと良くなる」と伝えられるようになり、改善点の受け止めがポジティブになったと思います。
また、リフレクトル導入前のロープレでは、自分の接客姿を俯瞰で見聞きすることができていなかったので「なんとなくそんな気がするので、気を付けてみます」という調子でフィードバックが腑に落ちず、なかなか改善されないことがありましたが。
今では一緒に動画を見ながら振り返りを行うので、本人が納得した上でしっかりと改善していけるようになりました。

6.実施後アンケートではポジティブな意見が並んだ育成対象者の反応
― 育成対象者の皆さんの反応はいかがですか?
山本さん: 期待を込めて伸び代がある人を育成対象者として選抜していることを伝えているので、育成対象者に選ばれて落胆することなく取り組んでくれています。第一弾を実施後にアンケートをしたところ、すごくポジティブで前向きな意見ばかりでした。 こんな風に自分の接客を俯瞰で見たのは初めてのことだったでしょうし、録音した経験のあるプランナーはいても、トークの具体的な部分に対してフィードバックをしたり、2者で振り返ったりしたことはないので、本人たちも気づきがすごく多くあったのだと思います。とにかく単純にすごく良かったという感想ばかりでした。
安永さん: 1回目のリフレクトルを終えて改善点をお伝えしたあと、同じ題材の2回目に取り組む際、改善点を修正して成長したものを提出したいという気持ちで撮影し、さらに、その気持ちをしっかりと言葉で私に示してくれた人がいました。 通常業務に追われる中、準備の時間を取られるし、少し緊張もするし、大変な部分もありますが、成長できる良い機会だと捉え、楽しみながら取り組んでくれている様子に嬉しくなりました。本人がフィードバックを行うことで、自分の良い点、改善点を言語化できるようになったことは、個人の成長にすごくつながっているとも感じます。
― 良い点が言語化されるようになったことが鍵になると思います。どんなに成長力の高い人でも改善点の指摘ばかりではネガティブになるものですが、良い点が合わせて示されていると能動的に取り組みたくなりますよね。
7.トレーニング後も前向きさをキープするには現場との連携が不可欠
― リフレクトルを活用したトレーニングで、気がかりな点はありますか?
安永さん: 私たちウエディングプランナーが在籍している店舗は北海道~沖縄まで約30店舗あります。そんな中、オンラインで行うリフレクトルトレーニングは、遠隔ながらもしっかりと意思疎通ができていて本人も「頑張っていこう!」という気持ちになれるのですが、いざ店舗にお客様と接するときに、常に一緒にいてポジティブな声掛けをすることはできないので、 前向きな気持ちをキープしながら接客に活かしてもらえているかが気にかかっています。今は「あのトークをしたらご成約いただけました!」という報告を受けない限り、成約率の数字を見て調子が良さそうだと想像するしか接客の状況を知る方法がなく。できることなら実際の接客も見てあげたいし、事前の準備や振り返りも見てあげたいのですが、 現実的には施行数の兼ね合いもあって難しいので、リフレクトルで学んだことを着実に実践してもらえるように現場としっかり連携していきたいです。
8.今後、育成で取り組みたいこと
― 最後に、今後の育成に対する展望やお考えがあれば教えてください。
山本さん:
私たちウエディングプランナーは、営業スキルは必要ですが、営業マンではありません。家や車のように現物の商材を見せて、価格交渉をして、販売するような営業ではありません。当日過ごす時間や内容がどれだけ素敵なものになるかという結婚式の本質的な価値をお伝えし、お客様にその魅力感じていただけたらご成約となります。
無形商材だからこその難しさが非常に大きいです。そんな中、今期は成約率に注力したので、営業のテクニックにポイントを絞った育成となりましたが、来期以降はもっと広い視野で育成をしていくフェーズにしたいです。カレッジチームは営業だけを教えるチームではないので、結婚式の大切さ、特別さ、そして私たちの会社の魅力
といった本質的な価値を語ることができる人を育てていきたいと思っています。
また、新規接客だけでなく、ご成約後のお打合せもプランナーの仕事です。オプション商品をいかに魅力的に伝えることができるか、販売推進という活用方法も視野に入れて準備していきたいと考えています。
安永さん: 現状、リフレクトルは個人個人がロープレ・フィードバックを行うツールとして使っていますが、見本の接客をお手本動画としてリフレクトルに取り込んで、プランナーがそれを見て、良いところを盗んでもらうような使い方ができたらすごくいいなと思っています。せっかくリフレクトルという良いシステムがあるので、試行錯誤しながら色々なパターンで最大活用していきたいです。
山本さん: 私もそう思います!お手本動画はすぐに取り掛かりたいです。リフレクトルを使えば、一つひとつのトークに対して意図や補足説明を入れることができるので、見る側の理解度も高くなり、しっかりと腑に落ちる動画になると思います。また、お手本動画があれば、何度も同じ説明することが減り、トレーナー側の工数も削減できそうです。現場からもお手本動画の要望は出ているので、 来期はリフレクトルの機能を100%使いこなして、より効率良くトレーニングできるようにしたいです。
― 大変参考になるお話を聞かせてくださり、ありがとうございました!
