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CASE

受注実績150%以上UP!
自動車業界の雄が取り組むディーラー営業の「型」づくり

西日本最大規模の自動車関連事業者GLIONグループが、ディーラー営業の型化とその定着の目的でリフレクトルを活用。営業部員の商談力が向上した結果、受注実績が前年対比150%以上UPとなった事例

GLIONグループ 大阪中央スズキ販売株式会社

Introduction

GLIONグループは、1986年に自動車整備工場からスタートし、現在は輸入・国産車の正規ディーラー事業を主軸に、リテール・アフターサービスほか多岐にわたる自動車関連事業を展開。自動車業界の雄として知られる存在となっています。西日本最大規模でありながら統制の効いたしっかりしたマネジメントをされていることでも有名で、昨今の業界の不祥事とも無縁です。また、国内での成功を生かし、海外6カ国にも進出。飲食、ウェディング、宿泊事業にもフィールドを広げ、100社以上を抱える巨大グループとして業界を牽引しています。

今回は、GLIONグループ 大阪中央スズキ販売株式会社 代表取締役 尾崎健太郎氏に、自動車ディーラーの在り方、ディーラーが抱えやすい課題とそれに対する向き合い方、営業の型化とその定着におけるリフレクトルの活用方法、リフレクトルを導入して感じている効果、そして今後の展開についてお話を伺いました。

ご経歴

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▶尾崎健太郎社長
2004年入社しクインオート篠山本社へ配属。
複数店舗を経験後2015年に店長へ。
2018年より国産車ディーラー事業部で経営企画室長となり、
翌年2019年より大阪中央スズキ販売株式会社の社長に就任。

GLIONグループの国産車事業部が「すごい会議」様の支援を受けて営業力アップに向けたプロジェクトに取り組まれた際、リフレクトルを大変効果的に活用してくださったことから、今回お話を伺う機会をいただきました。会議の意思決定者を務めた尾崎社長の仕事ぶりを知るすごい会議様からの推薦があった旨をお伝えすると、「私はたいしたことはなにもしていないです。結果を出しているのは私ではなくて現場の皆さんで、彼らが頑張ってくださったおかげです。私がその一翼を担えたのであれば、良かったと思っています。」とおっしゃる謙虚なお人柄が素敵でした。

1. GLIONグループが目指す自動車ディーラーの在り方とは

― はじめに、自動車ディーラーとはどんな存在であると考えているかをお聞かせください。

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尾崎社長: 自動車を扱う産業自体が日本を支える一大産業になっています。トヨタをはじめ、ホンダ、当社が扱っているスズキといったメーカーが製造する自動車を一般ユーザー様がお使いになる。その間を取り持つのが我々ディーラーの役割です。メーカーから車を仕入れて一般ユーザー様に販売する代理店という立ち位置で、パイプ役となる重要な存在であると考えています。各都道府県にメーカーごとのディーラーがあり、ディーラーは各エリアに販売店を持っています。それぞれの販売店は自店の責任エリアをしっかりと守り、その地域のお客様に自動車をお届けする。そこにディーラーとしての大きな使命があると考えています。
自動車は機械ですから、定期的なメンテナンスが必要ですし、故障も起こり得るのでアフターフォローも非常に重要です。我々の仕事は自動車を販売する部分が注目されがちですが、実際は自動車を販売するのは全てのスタート地点であって、そこから地域のお客様と末長いお付き合いをさせていただきます。販売することがゴールと捉えられがちですが、決してそうではなく、あくまでもスタートだと捉えています。

当社はGLIONグループという大きな組織に属しており、本来であればライバル他社となり得る存在が同じグループの中に属しているという点が強みとなっています。例えば、当社はスズキのディーラーですが、スズキの車しか売ってはいけないということはなく、グループの中にある日産や三菱、輸入車といった車も販売できます。そして、GLIONグループには、自動車部門以外にも多種多様な業態があり、お客様のニーズに合わせた最適なサービスを提供できる体制も整っています。具体的には、“CLUB GLION”という会員サービスをご用意しており、我々は自動車ディーラーを営んでいるがゆえに担当者がお客様のお顔とご要望を把握していますから、「 A ︎様には、この施設をお勧めしたら喜んでいただけるのではないか。」などと、お客様お一人お一人をイメージしながらご案内できています。そうした業態を超えた包括的なサービスを提供することにより、お客様にGLIONグループの “生涯顧客” になっていただけることを目指しています。 

2.お客様との接点においてディーラーが抱えやすい課題とそれに対するGLIONグループの向き合い方

― では、お客様との接点においてディーラーが直面しやすい課題にはどんなものがあり、それに対してGLIONグループはどのように向き合っているでしょうか?

尾崎社長: 商売として、ディーラーが販売にフォーカスするのは自然な流れだと思います。一方で、当グループの企業理念の一つに「WIN-WIN-WIN」があります。「自分と相手と会社の三方にとってのWINにつながらないことはしません。自分よりも相手のWINを少し多めに考え、未来のWINにつなげていきます。」という内容で、実際に「営業部員も喜ぶ、お客様も喜ぶ、会社も喜ぶ」の三方良しでなければ、お取引をしない選択をすることがあります。

例えば、お客様から過度な値引きを要求される場合、お客様は安くなって喜びます。営業部員は成績が上がるので喜びます。しかし、会社は適正な利益をいただけていないので喜べません。例えば、営業に対して高圧的な態度を取られるお客様が値引きなしで購入される場合、お客様はお取引に納得しているので喜びます。会社は適正な利益をいただけているので喜びます。しかし、営業部員は怯えている状況で喜べません。いずれのケースでも、お客様と生涯お付き合いできる良い関係性が成り立ちませんので、我々はお取引をしません。

当然ながら、お客様にとってのWINも大切にしており、例えば、部下がお客様との取引を進める中で、管理職から部下に「お客様はそのご提案で喜んでいただけるのか?」という質問を投げかける場面が頻繁にあります。その上で、3つのWINが揃ってこそ、お客様と良い形で一生のお付き合いができるようになるという考えを持っています。 いま、ディーラーを介さずに直接販売していくメーカーの動きが出てきているのも、我々の向き合わなければならない課題の一つであると思います。百年に一度の変革期と言われる自動車産業において、ディーラーは、地域のお客様にとって生涯お付き合いしたい存在であり続け、メーカーから販売を任せる意義があると思っていただかなければなりません。

3.「人を売ってなんぼ」の営業部員に求められる対話力と、型を踏まえた”型破り”な商談力

― 地域のお客様にとって生涯お付き合いしたい存在であるために、フロントで接する営業部員に求められる力や足りない力はあるでしょうか?

尾崎社長: コロナを経てオンラインの便利なツールが普及しましたが、改めてオフラインの重要性や効果が重要視されてきていると思います。効率化が叫ばれる社会ですが、お客様との一生涯のお付き合いを考えたときに、電話だけ、画面越しだけということが果たして成り立つのか。若い営業部員は色々なツールを使ってお客様とやりとりをしていますが、いざ対面するといまいち盛り上がりに欠けるということもあるようです。以前のように商談席からワイワイガヤガヤとうるさいくらいの声が聞こえてくることも減り、コミュニケーションが希薄になっているのを感じています。結局のところ、どの販売店も取り扱っているのは同じ車で、当社でしか買えない車はないわけで、当社はスズキの販売店ですが、どこのスズキに行っても同じ新車が購入できる。他社で買うか、当社で買うかの決め手になるのはやはり担当者で、「人を売ってなんぼ」の部分は必ずあると思います。

― 単に情報のやりとりができれば良いというのではなく、人としてお客様としっかり対話できる力が求められているのですね。そうした課題感とリフレクトルを活用した取り組みで営業の型作りをすることはどのように繋がっていったのでしょうか?

尾崎社長: 私も長くディーラー営業に携わっていますが、これまでは営業の型というものは正直なところなく、上司や先輩の真似をするばかりでした。今回、営業の型作りをするにあたっては、ロボットのような形で全員に同じ営業をさせようということではなく、あくまでもベースとなるおおよその型を作ることを目的としていました。どの営業部員も一旦この内容でやる。そこからお客様に合わせてオリジナリティを出していく。お客様も十人十色ですから、一人ひとりに合わせていかなければならない部分があります。

歌舞伎の世界に”型破り”という言葉がありますが、最終的には全員に型破りになってもらわないと困るんです。これまでは、そもそも型が無く、型がなければ破ることはできないので、自由奔放にやっていただけでした。リフレクトルを活用する取り組みで幹となる型を作ったことで、初めて、大切な部分では型を踏まえつつそれぞれのお客様に合わせていく型破りな商談ができるようになりました。  

― 営業部員として相談しにきてくださったお客様に応えるためには、まずは基礎となる幹の部分をしっかり押さえておく必要があり、そこに一人ひとりのお客様に合わせた要素を加えていくのが大切ということですね。

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GLIONグループ様の型作りは、コンサルティング/コーチングの会社である「すごい会議」様が支援されました。営業の型作りの進め方については、すごい会議様が作成された記事に詳しく記載されていますので、そちらを是非ご覧ください。
【すごい会議の実施例】
若手が示す昨対150%成長の力。中長期視点を見据えた営業の「型」づくり
記事URL:
https://www.sugoikaigi.jp/case/case-3339/
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4.ディーラー営業の型作りとその定着を目的としたリフレクトルの活用方法

― 型作りの過程そして型を定着させる過程において、リフレクトルをどのように活用してくださったのでしょうか?

尾崎社長: 商談やロープレの録画・録音ができ、そこにフィードバックを入れられるというリフレクトルの機能を最大限活用させていただきました。利便性、操作性ともに非常に高く、本当に助かりました。

そもそも自動車業界において、商談を型化すること自体、取り組んでいる会社は少ないのではないかと思います。敬遠される理由の一つに、お客様が多種多様で、一見すると型作りしにくいと感じることがありそうです。ある程度決まった内容の商売であればパターン化しやすいですが、ディーラー営業は「百人いれば百通りの商談がある。」という思考が根底にあるので、「型と言われてもお客様は型通りに返して来ない。」という否定的な話になってしまうのではないでしょうか。でも、お客様により変化するところはあっても、根幹的なところは共通することも多々あり、型化はできます。
私が営業の型を作る中で一つの重視したのが、聞く力の型化です。これまで、「車の購入を検討してお客様が来店されたので、車の説明をしなければならない。」「この車の良いところを伝えなければならない。」と、営業部員がすごく喋りがちだったのを、そうではなくて聞く側に徹してもらう。あくまでも聞き手に回ってもらう型作りをしました。お客様から聞く項目はこれとこれとこれとこれだ!という型を作ったわけです。それから、実践の様子を録音して、「これは聞けているけれど、これは聞けていないね。商談ではこれを聞くようにしよう。」と、型に沿ってできているかをリフレクトルを使って振り返っていきます。

リフレクトルを使った振り返りは複数名のグループで行っています。zoomで集まって、まずは10分間、良い点も悪い点も忌憚なく、それぞれがリフレクトルでフィードバックコメントを入力していきます。その後、文字のコメントだけではわかりづらい部分がありますので、フィードバックした本人に意図を解説してもらいながら、すり合わせを行います。一つの場面に対してそれぞれがどう感じたのかを知ることで、それぞれの考え方が分かっていきます。

― 良い点も悪い点も忌憚なくという部分で、後輩から先輩に対しては悪い点を指摘しづらいという問題が生じがちですが、どうされていたでしょうか?

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尾崎社長: 今回は、営業全体での取り組みではありますが、年代の近いもの同士を一つのグループにし、1年目と10年目を同じ部屋に入れるようなことはしなかったので、大きな問題にはならず、良いフィードバック交換ができました。フィードバックにはグッドポイントと改善ポイントとがありましたが、7〜8割はグッドポイントでした。私自身も全ての動画にフィードバックを入れましたが、一定の要改善の指摘をしたものの、基本的には「これが言えていますね。いいです。」「これが聞けていますね。」などと誉めてあげるグッドポイントのフィードバックが圧倒的に多かったのも、問題が生じなかった一因だと思います。

― できていることを確かにできていると証明してあげることを意識されていたのですね。リフレクトルのフィードバックが特に有効だった点や印象に残るフィードバックがあれば教えてください。

尾崎社長: 最も印象に残っているのは、核心を突くような質問ができている部分に対して「いまのような核心に迫る質問はいいですね。」というフィードバックをすると、背を押されるようにして皆が実際の商談で使い始めたことです。

他にビジネスマナーの改善には特に効果がありました。例えば、年配のお客様に対して時折タメ口が混ざってしまう場面。本人としてはおそらく親しみを込めているのだと思いますが、果たして、お客様はどういう反応をされているのかを気にかけなければなりません。長くお付き合いされているお客様との、関係性ができている上でのやり取りであれば問題ないこともありますが、非常に危ないコミュニケーションの取り方なので要改善として指摘しました。会話の中で「はぁ」を繰り返す相槌をしている場面で、「いまの相槌は少し軽い。」と指摘を入れることもありました。

5.受注実績が前年対比150%UP!リフレクトルを導入して感じている効果

― リフレクトルを導入して、具体的にどんな効果が得られたでしょうか?

尾崎社長: 実績で申し上げると、2023年9月からリフレクトルを導入し、2024年の1月、2月、3月の受注実績が前年対比150%以上になったことを効果測定で確認しています。実績を比較する上で分母が変わることのないよう、前年も今年も在籍しているメンバーに限定して数字を取っても、やはり150%以上伸長していました。

また、数字の上では、社歴の浅い若手ほど大きく伸張している傾向も見られました。若手は素直に型を取り入れるので変化が早いようです。1年目と2年目では1年間の経験があるので伸びるのは当然ですが、型があって、聞くポイントが明確になっている中で、お客様へ、より的確なご提案ができるようになったからこその伸張であると捉えています。

他にも市況などさまざまな事情が重なっての実績と思いますが、これだけの実績を出せたのは喜ばしいことです。同時に、これだけの実績を出せたのは、しっかりと型を覚えて実践してくれた皆さんのおかげだと思っています。今回の取り組みは、型化されたトークを覚えること自体が目的ではなく、覚えた上で、実際の商談でお客様の前でごく自然に聞き役に徹することができるようになることが目的でしたが、我々はその目的を達成できたという成功体験も積むことができました。このまま文化としてしっかりと根付かせることができれば、この後、私は本当に今まで以上になにもしなくても売れていくという状態になりそうです(笑)

昨年は型作りをした一年でしたが、今後、新たに入ってくる新入社員に対しては、型を覚えてもらうところからスタートできるので、その点でも、営業の獅子の巻を作ったことは国産自動車事業部にとっての財産になりました。今回こういった機会をいただけて本当によかったです。ありがとうございました。 

6.今後、リフレクトルを活用して取り組もうとしていること

― 最後に、今後、リフレクトルを活用して取り組もうとされていることはありますでしょうか? 

尾崎社長: 型作りの一環として、今度は店長バージョンの型を作ろうと動いているところです。進行中の商談の状況を営業部員が店長にレビューし、それに対して店長がこういう方向性で商談を進めていこうという提案をする”レビュープレビュー”というやり取りがあり、これをリフレクトルを使って型化しようとしています。
私の持論ですが、店舗の成果=営業部員の成果で、実際に成約を取ってくるのは営業部員ではあるものの、店長がレビュープレビューでいかに成約へと導けるかが肝となる認識でいます。社歴半年の営業部員と5年目の営業部員がいれば、どちらも店長が責任を持って成約へと導かなければならない。新人の営業部員にはより濃い内容のレビュープレビューが必要で、ベテランになれば要点を押さえたレビュープレビューで済むようになりますが、いずれにしても成約に導いてやるのは店長の仕事だと厳しく指導しており、そこへこれからリフレクトルを活用していきたいと考えています。

― 大変貴重なお話をお伺いすることができました。ありがとうございました。

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「社員一人一人に成長して結果を出す責任を持ってもらうと同時に、
企業には、皆が結果を出し、仕事から充実感を得られるよう努める義務がある」
そうした信念のあるクライアント企業と共にリフレクトルは歩んでいきたいと考えています。