新時代の営業の型づくり ~ 動画を活用した効率的なプロセスと大切にすべきポイント

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多くの営業組織が直面している、メンバー間の営業成績のバラつき。トップ営業が実践している、あるいは外部の専門家が知っている、「成果につながる型」の整理・展開は、全体の成績を押し上げるためにとても大切です。

一方で実際に型づくりをしようとしても、どうやって進めれば良いか分からない労力を捻出できない、などの悩みを抱えている営業リーダーも多いのではないでしょうか。

これまでの型づくりは、企画人材やコンサルタントが、ヒアリングを重ねて資料に落とし込む、難易度的にも時間的にも、負担の大きなものでした。それでも営業成績の向上に有効なので多くの企業が取り組んできたのです。しかし今は動画を活用して、最適なプロセスに沿って進めれば、これまでよりもずっと少ない労力で成果につながる型づくりが可能です。

ここでは、動画を活用した営業の型づくりの効率的な進め方、そして進める際に、大切にするべきことやよくある悩みの解決策をまとめてみました。

※この記事は、2023年8月7日にCo-Growth株式会社と株式会社リード・イノベーションが主催した『営業リーダー/企画者が集まる勉強会 #1「営業の型づくり」~大切にするべきこと、よくある悩みの乗り越え方』でお話ししたポイントをまとめています。

 

1.営業の型づくりの有効性

そもそも営業の型づくりをはじめる前に、「本当に型づくりに意味があるのだろうか」と感じる方も多いと思います。一人ひとり営業スタイルも違えば、お客様も違う。型に当てはめて対応できるものではないという声です。

「営業の型づくり」 〜 大切にするべきこと、よくある悩みの乗り越え方 as of 20230805

実際の成約に至った/品質の高い商談を分析してみると、営業個人、お客様固有の勝ちパターンが占める割合は全体の一部です。業界によらない普遍的な営業勝ちパターンや、業界共通の勝ちパターン、そして社内では共有できる勝ちパターンがほとんどを占めます。

すなわち、一人ひとりがバラバラに試行錯誤するよりも、すでに見つかっている形は効率的に習得し、個人固有のところだけを試行錯誤することが、個人と全体の結果を最大化するために大切です。

 

2.営業の型づくりのプロセスと大切にするべきポイント

しかし実際に型をつくろうとしても、壁にぶつかってしまうケースが多く見受けられます。たとえば、「あまりにも無数のパターンがあるように思えて、標準的な『型』がつくれない」「せっかくマニュアルを整えても、社員に浸透しない」「そもそも大きな労力がかかるので、社内で推進しきれない」などの不安の声が寄せられます。

そこで今回、型化のプロセスとそれぞれのポイントをまとめてみました。

「営業の型づくり」 〜 大切にするべきこと、よくある悩みの乗り越え方 as of 20230805

2-1. 型化する題材(シーン×顧客種別)の選定
最初のステップは、「型化する題材(シーン×顧客種別)の選定」です。例えば、住宅の営業であれば、「30代夫婦で、5歳のお子様と2歳のお子様の4人家族。現在、賃貸のマンショングラフで土地もまだ見つかっていない。家探しを始めたばかりで、まずはネットと情報誌で情報を集め、今回初めて住宅展示場を訪れた」などの題材を定めます。

ここで重要なのは、「最も典型的な商談」に焦点を当てて題材を決めること。その後適宜、差分を取り上げます。

これは「あまりにも無数のパターンがあるように思えて、標準的な『型』がつくれない」という悩みへの回答でもあります。

営業所の場所やお客様の性質などによって、細かい流れは異なるかもしれません。しかし、基本的な流れなど、被っているところが多くあります。型化する際は、最も典型的なものを取り上げます。その上で、差分が何かを分析し、埋めていくプロセスを取ります。

最典型の題材が決まったら、営業のプロセスを一通り最初から最後まで書き出してみましょう。たとえば住宅営業であれば、「初回接客」について、お出迎え→ご挨拶・アンケート記入依頼→展示場案内→着座接客・・・のように、区切っていきます。

「営業の型づくり」 〜 大切にするべきこと、よくある悩みの乗り越え方 as of 20230805

 

2-2. 実践例の確認

次に、それぞれのプロセスを区切ったら、具体的な実践を観察します。

わざわざ観察をしなくても、優秀な営業にヒアリングすればいいと思う方もいるかもしれません。しかし実際、本人ですらも言語化できていないことが多いのです。また、それぞれのポイントを網羅的に語ることは困難です。だからこそ、実際の現場を観察することが非常に重要です。

一昔前であれば、同行観察が一般的でしたが、現在は録画録音が身近で出来るようになりました。実商談が録画録音ができない場合は、ロープレで再現してもらうことも有効です。

録画録音が普及する前は、営業のスクリプトを全文起こして型づくりをすることもありましたが、今は動画があれば足りますし、むしろよりリアルで、メンバーに内容が伝わります。より効果的な教材を、労力を格段に押さえて作れるようになっています。
お客様への許可取得についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

https://co-growth.jp/reflectle/library/businessmeetingrecording/

 

2-3. 重要要素の特定

良い実践例を動画で捉えたら、おさえるべきチェックポイント、すなわち評価基準を明確にします。

たとえば以下は住宅展示場営業の来場誘致テレホンアポイントメントの評価基準の例です。

「営業の型づくり」 〜 大切にするべきこと、よくある悩みの乗り越え方 as of 20230805

この「チェックポイントを明確にする(=大切なポイントに焦点を絞って書き出す)」ことは、そのまま読み上げられる原稿・スクリプトを書き出すこととは性質が少し異なります。そして原稿・スクリプトを書き出す以上に、大切なことだと考えています。

スクリプトや台本の完コピも確かに有効な手段です。同時に弊害もあり、忠実に再現しようとしすぎて棒読みになってしまい、お客様に刺さるトークができなくなってしまうケースも多くあります。「自分の言葉で真似る」ことできないと、相手に響く言葉にはならないのです。

その点、チェックポイントは自分の言葉で話すこととお手本を真似ることの両立が可能であるため、これが大切と考えています。

「営業の型づくり」 〜 大切にするべきこと、よくある悩みの乗り越え方 as of 20230805

また、チェックポイントには「実践チェック」と「スキルチェック」があります。新卒の育成など、基本の型習得においては「お客様の名前を呼んで確認できている」などの実践チェックが有効です。より応用的な発展段階では、「お客様の話を要約し確認できた」などスキルチェックが有効です。

 

2-4.教材化

重要要素を特定した上で、いよいよ教材化を行います。

「営業の型づくり」 〜 大切にするべきこと、よくある悩みの乗り越え方 as of 20230805

教材化で大事なのは、インプットだけに留まらず、アウトプットまでを行うカリキュラムにすることです。Co-Growthでは営業が「できる」に至るまでのプロセスを、独自の「FIT-IN」というモデルにまとめています。あるべき姿を整理、教材化し、それを研修で学ぶことは最初のステップ。それに加えて、実践し、フィードバックや振り返りを経て、はじめて身に付くのというものです。インプットだけでは身に付かないということがポイントです。

例えば弊社の営業力強化DXシステム「リフレクトル」の画面では、図の右側の様に、講義動画を見たうえで、手本動画を見て、自分がアウトプットした動画を登録するステップを踏めるようにしています。

なおこの教材化の際の、具体的に役に立つティップスを幾つか記してみました。

✔講義の内容を、研修の際に動画にとって残しておく

実践や、実践のお手本を観る前に、講義で概論を理解することは有効です。とはいえ、「講義用の動画」をわざわざ撮影するのは、精神的にも手間的にも負担がかかります。30分や1時間の研修会での動画を撮っておくと、それがそのまま講義動画として使えるようになるのでおすすめです。

✔手本/実践は適度な長さで

ロープレをしようとして、1回1時間以上かかるような労力が必要だと、なかなか実践ができません。確認者も、チェックをするのが困難になります。そしてフィードバックを受けたとしても、実践者がフィードバックを吸収できる量を超えてしまい、消化不良を起こしがちです。要素を習得する際は、説明型は5~10分、応対型は5~15分がひとつの目安です。一通り小さな単位で修得したあと、1時間などの通しの検定に進みましょう

✔売れている人の実践例をそのまま教材にする

手本となる教材について、完璧な教材/スクリプトを作り込むのは非常に大変です。それに対して、売れている人の動画を先ず撮ってみることは、すぐにできます。そしてそれは十分な教材価値があります。その上で、よりよくできるところに関しては随時取り直して磨いていけばいいのです。はじめから完璧を目指さずに、質を高めていきましょう。

 

全員が実践してみて、その中でいい実践例をお手本として採用するのも手です。

 

3.売れる営業の「型づくり」のよくある悩み

売れる営業の「型づくり」においては、さまざまな壁・疑問にぶつかります。ここでは2023年8月に開催されたリード・イノベーション代表取締役礒谷さんとCo-Growth代表取締役・佐々木の共催セミナーの対話から、よくある悩みとその解決策を紹介します。

「自己流でやりたい」営業マンにどう伝える?

Q.型化を進めようにも、メンバーの理解が得られない場合、どうしたらいいでしょうか?体育会系出身者など、プライドが邪魔をして自分の力で進めたい人が多いように思います。

A.まずは、型づくりをする意義についてしっかりと説明しましょう。その人だけでなく、「チーム皆の」成績を底上げするためにはとても大切であることを理解してもらう必要があります。プライドが邪魔をする場合は、そのプライドすらも及ばない方から語ってもらうのも有効です。また、理解がない営業マン本人の営業実践を「型づくり」のひな形にするとして、一度実践してもらい、型づくりの推進に巻き込んでいくのもおすすめです。

くわえて型の展開にあたっては、チームメンバーのモチベーションを上げるリーダーの存在は非常に大切です。上司が成果にコミットし、育成の熱意を伝えることが大事です。メンバーの自主性に任せた宿題形式だとやらない場合が多いので、みんなが集まる研修の機会をつくるなど巻き込む施策もポイントです。

 

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本記事では、営業の型づくりのプロセスとよくある悩みをお伝えしてきました。型づくりは動画を活かした新しいスタイルで進めると、意外と少ない労力ではじめられることを感じられたのではないでしょうか?

Co-Growthは、営業DXツール「リフレクトル」を展開しています。

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