営業の早期戦力化のためのカリキュラム設計におけるポイント

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昨今、人手不足の話題を聞くことが多くなりました。特に成長企業にとって、採用は大きな関心ごとでしょう。

同時に、採用しても戦力化するまでに時間がかかる、或いは戦力化する前に辞めてしまう課題に直面し、もっと採用を事業成長につなげられるはずとお悩みの経営者・事業部長も多いのではないかと思います。

そうした課題に対して、デジタル・システムを活かして、一人前になるために必要な要素を体系的に習得できる、早期戦力化へのカリキュラムを構築・運用することはとても有用です。同時に、ポイントをおさえて構築しないと、運用がうまく回らない、或いは成果につながらないことになります。
ここでは我々が数多くの企業の早期戦力化プログラムの構築支援、育成のDX支援をしてきた経験から、大切と考えるポイントを書き出してみました。(営業の早期戦力化カリキュラムを前提に書いています)

CONTENTS

1.新人が自ら実践し、できていることを確認できる、アウトプット型のカリキュラムを組む

新人育成において、まず最初にインプットが必要なのは間違いありません。
同時に、例えば「会社紹介をお客様にできる」ことを取りあげてみても、会社について学ぶだけでは上手く案内できるようにならず、自らが口に出すことを何度か繰り返すことで上手に案内できるようになる様に、「できる」に到達するためにはインプットだけでは不十分で、アウトプットまで行うことが大切です。

しかし多くの企業において、新人育成のプログラムは、講義等のインプット、およびインプット咀嚼するために議論する研修に終始しています。アウトプットは現場で、となりますが、お客様との商談が練習の場となっていて機会損失が起きていたり、直面した状況にその場その場で対応するため、習得が散発的になり、一人前になるのに時間を要したりします。

これを、ロールプレイ/ロープレでアウトプットまで実施する体系的なプログラムを組むと、組織の「早期戦力化」する力が大きく向上します。

2.実際の仕事の流れの全体像がイメージできるようにカリキュラムを組む

例えば住宅営業であれば、「初回接客」について、お出迎え→ご挨拶・アンケート記入依頼→展示場案内→着座接客・・・というように、「一通りの仕事の流れ」に合わせてカリキュラムを組んでいきます

なお「一通りの仕事の流れ」に入らないが出来るようになるべき項目は、別途切り出して一覧を作成します。
(例えば住宅の場合、「用途地域についての説明」「建蔽率・容積率についての説明」など)

3.一単位の長さを区切る

カリキュラムを構築する際は、一つの実施単位を、説明型(次の項目で詳述)であれば、1~5分、応対型であれば5~10分を目途に、小分けにすることが、より高い効果、効率につながります。

時折、本番と同様に1時間、或いは30分などの長さのロープレを日常的に実施しようとしている例をみかけますが、2つの理由でお勧めはしません。

  • 時間確保の負担が大きく、続かなくなる
  • 習得の効率が悪い。短い方がアウトプット前の準備もしやすい。

またフィードバックを受ける場合、1時間の内容全てを対象としても消化しきれず、結局10分間、焦点を絞ったシーンへのフィードバックでも、吸収量は同等になります。

4.説明型と応対型を区分ける

売れる営業になるためには、ヒアリング力など、お客様と応対しながら進められる力がとても重要ですが、同時に、自社が取り扱うサービス、領域の専門家として、説明できる必要がある項目も多々あります。

ロープレの運用を考えると、前者は、お客さまをよく理解している、すなわち力量ある人が相手を務める必要があるのに対して、後者は一人でも実施できます。取り組みやすさが違います。そのため、カリキュラムを組むときも、説明型と応対型の両者を明確に区分けておくと、本質的に重要な応対力も身につけられながら、専門家として説明できることを効率的に習得できます

5.「実践すること」と「評価の基準」を区分ける

「できるようになるべきこと」の体系的なリストを作ろうとして書き出していくときによく起こる問題は、「実践すること」と「評価の基準」が混じることです。例えば実施項目は「ヒアリング」、評価基準は「傾聴できている」です。「評価の基準」は実践できませんので、混じると、どのロープレを実施すれば良いかが分からなくなるので、取り組みやすいカリキュラムづくりのためには区分ける必要があります。

 

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