佐々木氏: はい、皆さんこんにちは。Co-Growth株式会社の佐々木文平です。この「営業マネジメントライブラリー」では、営業リーダーの方々を対象にして、営業マネジメント、すなわち組織作りや育成活用について、「この人すごいな」と思った人をお招きしてお話を聞いていきます。
今回は、落合不動産の落合社長にお越しいただきました。落合社長、どうぞよろしくお願いいたします。
落合氏: よろしくお願いします。
佐々木氏: それでは、落合社長、自己紹介をお願いいただけますでしょうか。
落合氏: はい。私はですね、今不動産業界にいるんですが、10年前にこの業界に初めて入ってまいりました。そこからですね、いろいろな戦略を考え、あとは市場調査をしてですね、「信頼獲得営業」という戦略を作り、今現在、年間成約率95%、あと反響率110%という記録を出すことができました。
そして3年前からですね、皆様のご要望があって、賃貸専門のコンサルタントをお願いできないかというお話をいただいて、専門のコンサルタントも行っています。導入いただいた企業様には、同じ獲得を行っていただくことによって、非常にいい結果が出ております。
佐々木氏: 不動産営業の平均の成約率って、大体どんなもんですか?
落合氏: はい。大体40%から50%というのが平均だと言われております。
佐々木氏: 30%から50%(の間ですね)。そこと(比較して)95%の成約率というのは凄まじい数字ですね。来られたお客様も、ほとんど成約しているということですね。
落合氏: そうですね。まあ、ほぼ間違いなく決めて、喜んで帰っていただいております。
佐々木氏: その秘訣を聞いていきたいと思います。ちなみに、落合社長の実績をなぜ出せているのかということを語る話が非常に面白いので、セミナーでも大変人気の方です。去年、一緒にライフルホームズさんのセミナーに登壇させていただきまして、1年間で最高集客があったというような方ですので、ぜひ楽しみに聞いていただければと思います。
では、社長にお伺いしますが、そもそも「信頼獲得営業」という言葉が出てきましたが、これは何ですか?
落合氏: 簡単に言うと、まずお客様の信頼を獲得してからの営業を行うということです。普通の一般の賃貸の不動産会社で言うと、大体お客様がご来店いただくと、もうすぐに物件の提案だったり案内だったりという形を取るんですけども、それをやる前の段階でお客様との信頼をきちっと取ってから物件提案を行う。これが信頼獲得営業です。
佐々木氏: なるほどですね。賃貸の営業の場合は、不動産会社様に訪れると、「いい物件ありますよ、お話しましょうか」と。先日も私も実は1つ問い合わせて(店舗に)行ったら、すぐにこう案内して「どうでした?」と言われて。「いや、ちょっと……」と言ったら、もうそれで終わりだったんですけど、それじゃダメだということですね。
落合氏: そうですね。そもそも「お客様がなぜ不動産会社に来るのか」というところから、私たちは考えなければいけないと思っていて。もうインターネットで全て完結できてしまうんですよ。問い合わせから、それこそ今は(担当者が)介在せずに内見もできる時代です。
そういった時代に不動産会社に来る、そのお客様の気持ちになることがまず大事で。「じゃあ、何を求めているのか」というところなんですよ。
佐々木氏: 何ですか?
落合氏: 例えば、「お問い合わせいただいた物件が本当に自分に合っているかどうか」とか、あるいは「これ以上に自分に合っているものがあるのではないか」とか。そういったところを、プロから聞きたいと思っている。なので、我々はそれに合わせた接客をしなければいけないんですが、皆さんは大体ほとんどが「問い合わせた物件、空いてます。じゃあ行きましょうか」あるいは簡単なアンケートで「(内見に)行きましょうか」と。これだと、全くお客様のニーズに合っていないんですよ。
佐々木氏: 物件を案内する前に、きちんとヒアリングして理解して、課題を出して、そこを解決してから行くということですね。
落合氏: そうですね。それが私たちが必ず行わなければいけないことなんですけども、皆さん大体分かってはいるけども「ちょっとできない」とおっしゃる方がとても多いですよね。
佐々木氏: ちなみに「できない」という時に、まず第一歩の課題としてありそうなのが、問い合わせがあった際、「店舗とかいいから現地での待ち合わせにしてくれない?」ということもありそうな気がするんですけど、その辺りはどう対応されていますか?
落合氏: 弊社の場合、もう一切、現地待ち合わせのお客さんはお断りさせていただいております。私も賃貸に対してのプライドもあります。賃貸(仲介)としては、ただ案内をするのが仕事ではなく、しっかりとお客さんの話を聞いて、お客さんに合ったものを提案する。これが私の仕事だと思っているんですね。
現地集合というのは、ただ行って鍵を開けて中を見て、それで「良かったか、悪かったか」で決まる。というのは、それは営業の仕事ではないと思ってます。大体、現地集合の場合だと決まる率というのは10%を切る。これはもうデータ上に出ておりますので、正直、会社側としても時間の無駄にもなってしまうというのもあります。なので、一切現地集合というのは行っておりません。
佐々木氏: 結構気になるのが、リードの獲得ってお金をかけているわけじゃないですか。それこそスーモさんから問い合わせをもらうということ自体も大変ですから、それを「現地集合だからお断り」と言うと、もったいないとも思っちゃうんですけど。断った場合、実際にお店に来ていただける割合ってどれくらいなんですか?
落合氏: まずは「行っていないんです」とご説明をさせていただきます。その中で、来ていただくことによって「こういったやり方をさせていただくので、きっと喜んでいただけます」というお話をすると、「あ、だったら行こうかな」という(反応になる)。そこも結構重要なところです。
佐々木氏: 口説く時のポイントはどんなことですか?
落合氏: お客様のことをまず考えてお話しするということです。「自分のために来てくれないと決まらない」という考えではなくて、「お客様が本当に来ていただいて、本当に喜んでいただけるんだ」ということをしっかり伝えていきます。自分のためじゃなく、お客様のために来ていただくことが、あなたにとって非常にいいことであり、いいお部屋を見つける一番の近道であるということをお伝えするようにしています。
佐々木氏: それでも来てくれないお客さんがいたら?
落合氏: まあ、もうほぼ決まらないと思います。なぜかというと、基本的には「ただ見たい」「ちょっと興味あるけど見てみたい」「でもお部屋探しはそんなに(真剣に)したいという気持ちではない」という方だと思います。そこでもいい意味でのフィルタリングをかけて、可能性がある方はもう来ていただいて一生懸命やるけれども、それで断られたらフィルタリングがかかったということです。
本当に、そのお客様には申し訳ないんですけども、そういったお客様にお時間をかけるよりは、しっかりと部屋探しをしたいなという方に、私は時間をかけて喜んでいただきたいという気持ちがあります。
佐々木氏: お客様が来てくださいました、となった際、実際どんな時間配分で接客されているんですか?
落合氏: 最初の10分ぐらいは、お客様のニーズをしっかり確認をする。あるいは、お客様のお部屋探しのニーズだけではなくて、お客様の属性、審査というのがあるので、そこもやはり我々はしっかりと確認をしなければいけない。それが大体10分ぐらいですかね。
そこから問題、課題、不安などが大体読み取れてきますので、そこから15分ぐらいかけて、お客様に解消方法を提示する。あるいは、その問題に対してどういった物件の種別がいいのか、どういった設備があることによって今の問題を解決できるのか、という説明をするのに、トータルすると30分ぐらいですね。それがいわゆる「信頼獲得営業」というところで、30分ぐらい使います。
佐々木氏: その後、例えば物件を提案しますよね。どれくらい時間がかかりますか?
落合氏: 大体30分ぐらいです。もう大体そこまでで、しっかりともうニーズ把握できているので。逆に把握できないと、これから物件を出すのに時間がかかってしまうんですけど、条件がもう定まってますので、大体30分ぐらいにはもう見学に出発しているという形になります。
佐々木氏: ヒアリングで信頼獲得営業、そしてそこから物件の提案、そこからご案内出発まで大体1時間ぐらいですね。それからご案内に行きます。ご案内にはどれくらい時間がかかるんですか?
落合氏: えっと実はですね、ご案内は全部アルバイトさんにお願いしています。
佐々木氏: あ、そうなんですか。
落合氏: 私は年間で(自分自身が)ご案内する回数って、1回か2回しかないんです。
佐々木氏: そんなに少ないんですか。
落合氏: というのは、もうお客様の(成約の)決め手というのは信頼獲得営業をして、物件出しをする、そこまででもう終わっていて。実際の物件確認自体は、もうそんなに重要ではないということです。
この1時間の間にもうしっかりと信頼獲得して、お客様のニーズに合った物件をパシッと出させていただくので、お客様は確認して「あ、確かにお茶さんが言った通りだったね」という感じで戻ってきて、「ここ(この物件)にします」という感じです。
これ皆さんにお話しするとびっくりされるんですけど、繁忙期だと1人で1日に6組ぐらい接客をさせていただく。それはなぜできるかというと、案内をアルバイトさんに行っていただけるからなんですね。なので、信頼獲得営業をガチッとやると接客数も増える。営業として本当に価値が出せるのはどこなのかというのをしっかりと見極めて、そこで価値を出して、決めていただくという(スタイルに)しています。
佐々木氏: 「信頼獲得営業」ともう一歩踏み込んでお伺いしていきたいですが、どんなヒアリングをされてらっしゃるのか、なぜそれが制約率にそれだけ大きく響いてくるのか、具体的にイメージできるようなお話があれば嬉しいです。
落合氏: お客様のニーズというのは、賃貸営業の方ならよく分かると思うんですけど、アンケートを書いていただくと、例えば「間取りは何をご希望ですか?」と言うとアンケートに「ワンルーム」、次に「賃料」……というように進んでいって、営業マンもそれを元に物件を探していくんですけど、そのアンケートの下にまだ(ニーズが)あるんですよ、実は。
人によっては狭い部屋でもいい方もいれば、広い部屋がいいという方もいらっしゃるんですけど、そこのところをまず聞かなければ提案ができない。例えば、ワンルームでもお部屋のサイズっていっぱいあるんですけども、「どれくらいのサイズ(の部屋に住んでますか)?」とか。あとは収納も、お客様によって荷物の量って違うじゃないですか。で、そのお客様によってはその収納も違うんですよね。
次は収納のことを聞いたりとか、奥にどんどん行っていくんですね。でもう1つすごく大事なことなんですけど、私たちの一番大事なところで大きなところで言うと、「引き出す」ということなんです。ニーズを持っているところだけを聞くのではなくて、お客様が「ニーズ」というもの自体、気づいていない、分からない部分というのがたくさんあって。
例えば、お部屋のサイズをあんまり気にしてなかったという方もいるわけです。そこでこうお話をした時に、「家具とか何置かれますか? ベッド置かれますか? お荷物どれぐらいですか?」とお聞きして、「お客様だと多分6畳だと足りないと思います」と言うと、「え、そうなんですね」と。
そこで気づかせてあげて、「そういった家具を置くと言ったら、8畳サイズがないと、多分ゆとりを持った生活ができないと思います。なので落合さんは8畳以上を中心に考えられた方がいいかもしれませんね」というように引き出していくことも大事なんですね。
佐々木氏: なるほど。それはネットだけで探しているだけだとできないので、「この方だったらいい物件をいろいろ紹介してくれるんじゃないか」と思うから、もうそこで決まる(信頼される)ということですね。
落合氏: そうですね。そういうことを引き出してくれるって、なかなか難しいことじゃないですか。やっぱりそれを引き出してくれたってことは、そこでガツッと信頼が得られるわけですね。なので、「この人に任せよう」というような風になっていると思います。
佐々木氏: さらに他に、その信頼獲得営業が成約につながるということが、実感を持って感じられるような話ってあったりしますか?
落合氏: 例えば、物件だけではなくて、金融系のトラブルを持っていて「審査が通るかな」という不安を持っていても、なかなかこれって初めて会った人に「私、金融事故してます」とは言いづらいですよね。
うまくそういった問題を引き出してあげることによって、まず私たちが知ることができる。でも、知ってそこで終わるのではなくて、それに対してどう解決をしていくか。ここで例えば、「お話ししていただいてありがとうございます。私はそういった経験のある方でも、しっかりと部屋探しできるやり方がありますので、私にお任せいただければ、そういった方でも審査が通るようにさせていただきますので」というようにお話をしていたりとか。
例えば騒音の問題があるという方であれば、騒音の問題に対してどう解決していくのか。そういったことをお話しすることによって、どんどんどんどん、やっぱりお客様との距離が近寄ってくるのはもう目に見えて分かります。だんだんだんだん、こう身を乗り出してくるというんですかね。
佐々木氏: 引っ越しってすごく人生の中でも大きなことだと思うんですが、その時に頼ってもらえるって営業としてもものすごく嬉しいですね。
落合氏: はい。めちゃくちゃ楽しいですね。「引き出し」って僕はよく言っているんですけども、いろんなタイプのお客様がいらっしゃるんですね。例えば今お話しした金融のトラブルだったり、近隣トラブルだったり、今お仕事が残念ながらできないとか。そういったいろんなタイプのお客様の対処方法というのは、この頭の中にたくさん引き出しを入れているんですね。
なので、そういった問題が来た時に「あ、はいはい、それですね」という感じで、僕はその引き出しを開けて、それを使っていく。迷わないですね。
佐々木氏: それをやってくれる方が目の前にいるというのは、お客様からしたらもう頼もしい限りですね。
落合氏: でも、それは私たちがやらなきゃいけないことだと僕は思っていて。「この人はできるけど、この人はちょっと僕はできないよ」というのは、それはお客様に対して失礼なことなので。賃貸のプロとしては、どんなお客様にも対処できる。これはもう絶対にやらなければいけないことだと僕は思っているので。引き出しをたくさん作っているというのは、そこにあります。
佐々木氏: なるほどですね。最後に、この動画をご覧の方に一言、伝えたいことがあればありますか?
落合氏: 今日動画を見ている方は、いろんな業種の営業の方もいらっしゃると思うんですが、「信頼獲得営業」というのはどの業界でも私は一緒だと思っています。多分皆様の使っている商品はとてもいい商品だとは思うんですけども、その商品はやっぱり信頼が得られるのか得られないのかで、どんなにいい商品も売れないです。
あるいは、売れる人はきちっと売れる。それは何かというと、やっぱり「信頼獲得」なんですね。なので、ぜひ明日からも(この考えを)取り入れていただければ、分かっていただけるのかなという風に思います。
佐々木氏: 営業の本当に実績と、あと明確な考えがある方のお話を、今後もこのチャンネルでは発信していきたいと思いますので、ぜひチャンネル登録お願いいたします。落合社長にも、今後もいろんなテーマでご相談させていただくことになっておりますので、楽しみに待っていてください。本日はありがとうございました。
落合氏: ありがとうございました。