2019年12月20日

講演内容の記事化 – 響く記事を書く2つのステップ/原則

 

Co-Growthでは人材育成・組織開発や営業力強化の領域において、先端的な取り組みをされている方、この人の話はぜひ聞いてみたいと思う方を招いて、時折セミナーを開催しています。

そうした際の講演で語られる知見は大変面白く、その場にいる人だけでなく関心がある人にぜひ届けたいと思うことが多々あります。

「コンテンツマーケティング」上も、魅力的なコンテンツを生み出す機会です。

同時に、口頭で語られた内容の書面化を、例えばフリーランス・ライターとのマッチングサイトで「記事化してください」とだけ伝えて依頼すると、成果物は10者10様となり、惹きつけられる度合いにも大きく差が出ます。

それではどのような点をおさえると記事が魅力的になるのか。Co-Growthが定めている2つのステップ/原則をお伝えします。

 

  1. まずは講演者の「そのままの言葉、生の言葉」を文字に起こす

講演において受け手は、講演者から概念/情報を得るだけではなく、講演者自身の考え方/考える深さ、経験から、自らを成長させる刺激を得たいと考えています。

そのニーズを踏まえると、第3者が間に入る形をとり、「講演者はこのようなことを述べていた」と書くのは、記事からの学び・刺激を下げることにつながります。

また講演者の一つの一つの言葉選び、具体的な事例の描述が、刺激の材料であり、それらを抽象的な言葉でまとめる、削ることも記事の価値を下げかねません。

そのため、まずは『講演者の「そのままの言葉、生の言葉」を文字に起こす』ことをします

*追記1 :  上記を進める際の一つのテクニックとして、音声認識機能での文字起こしはとても効果的/効率的です。音声ファイルをそのまま文字起こしするソフトも存在しますが、録音のマイクが離れていたりすると、上手く文字化できないこともあります。その場合、人が音声ファイルを聞きながら、自らのiPhoneやAndroidの音声認識にそのまま語りかけると、迅速/的確な文字起こしができます。

*追記2 :   『講演を受けての「執筆者の考察」を伝える記事』は、『講演の内容そのものを伝える記事』とは別物として存在しますし、前者を目指すのであれば、上述の原則とは異なる考えで執筆に臨むことになります。また他にも、学び/刺激につなげる目的ではなく、『概要を知る』ことを目的とした要約記事も存在します。

 

  1. 書き手が頭を使い、話し言葉から書き言葉への転換(簡潔化、明瞭化)、論理の整理、を行う

話す言葉をそのまま文字に起こしただけでは、読み物にはなりません。

第一に、話し言葉には、書き言葉では通常記さない、意味/情報量のない単語が多々含まれ、また書き言葉よりも繰り返し表現を多用します。さらに「あれ」や「これ」など、明瞭ではない単語表現も見られます。これらを書き言葉に直さないととても読みにくい文面になります。

第二に、話し言葉では論理構造が大概緩くなります。その場の流れ、聞き手の反応を見て余談を挟んだり、話すべきことを後から思い出して付け加えたりなどします。或いは論理に飛びがあって、聞き手が推測で補うこともしばしば発生します。

これらは話を聞いているときには自然でも、文面という「形」になると受け入れ難いものになります。そのため論理構造を整える必要があります。

(話すとスイスイ言葉が出てきても、書こうとすると論理的な熟考が今一段必要で時間がかかった経験のある人は多いのではないでしょうか)

この「話し言葉から書き言葉への転換」と「論理の整理」は、書き手が主体となって行います。書き手が認識している文章表現のあるべき姿と照らし合わせて「書き言葉」に改め、書き手が自分の論文としても納得して出せるよう、論理構造を整理します。

特に後者については、時に「話したまま」の内容を少し改訂したり、言葉を補ったりもします。そして講演者に内容に齟齬がないかを確認します。話したままの言葉というのは(特に論理の筋が通っていない場合)、実は話し手の考えをそのまま表現できていないものです。頭の中では筋が通っているはずなのに、うまく表現しきれていない。文面として形にすると本人自身が違和感を感じる。そうではなく、論理構造が整っていると、自分の考えがうまく書き表されていると感じます。書き手の力が試されるところです。

(色々な流派があるかと思いますが、我々はこのスタンスで臨んでいます)

*追記、Step 2を行う際は、Step 1の考え方である「一つ一つの言葉を落とさない」との相反を少なからず考えねばなりません。意味が重複する言葉、論理的に脱線した事例と判断して削るのか、それとも別のより良い論理構造の整理を考えて記事に含めるのか、など、悩んだ末に良い文章がまとまります。

また文字数を一定におさめる記事の場合、講演やインタビューの一部を抜粋することになります。そのため焦点を当てる内容の決定、論理構造の整理は、講演内容全体を記事にする以上に書き手の力が求められます。


ライターの方に依頼する際に渡すことを目的とした、A4 1枚のPDF資料があります。下記からダウンロードいただければ、自由にご活用いただいて構いません。

「 話し言葉から書き言葉への転換」については、eLearningや研修もございます。ご関心があればお問い合わせください。

※下記フォームへの登録後ダウンロード(PDF)することができます。